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新たな〝創造と挑戦を楽しむ 〟
《NTKテクノロジーズ・インク》

半導体市場の好況を追い風に
新たな〝創造と挑戦を楽しむ 〟
《NTKテクノロジーズ・インク》

NTKテクノロジーズ・インク

社長 兼 CEO 田島 常二郎 さん https://www.ngkntk.co.jp/ http://www.ntktech.com/

 



 半導体が世界的に不足している。その背景には、コロナ禍でのテレワークの増加や5GやAIによる半導体需要増加があるが、この流れは短期的なものではなく長期スパンで続く動きだろうとNTKテクノロジーズ社長の田島さんは市場動向を分析する。

「業界は右肩上がりで成長を続けており、2021年度半導体市場規模は前年比25%の増加、今年度も9%弱の増加が予測されています。それに加えて米中摩擦の影響もあり、半導体メーカー各社では生産能力の増強を積極的に図っている状況です。アメリカにおいては、半導体の自国生産奨励による国の支援を受け、アリゾナ州には台湾セミコンダクター(TSMC)が、そしてオハイオ州ではインテルの新工場設立等が着々と計画されています」。

 半導体や半導体製造装置に関わるNTKテクノロジーズも例外ではなく、ここ数年の間好調に業績を伸ばしている。同社は、日本特殊陶業株式会社とそのグループ会社であるNTKセラテックの米国販売子会社として半導体パッケージ部品、半導体製造装置部品、医療関係のセラミック部品の営業販売を手がけている。40年ほど前に「半導体ICパッケージ」販売で北米市場に進出し、現在は「静電チャック」「ICパッケージ」「圧電セラミック」といった3つの製品群で事業を展開する。静電チャックは、半導体を作るシリコンウエーハに回路を作るエッチング装置に使われるもので、同社の主力製品となる。「ICパッケージ」は、実際に半導体チップを実装する部品。「圧電セラミック」は、医療分野の超音波メスなどに利用される製品で、今後の新しい柱として注力しているという。日本特殊陶業という社名から自動車のスパークプラグをイメージする人も多いかもしれないが、北米における自動車関連製品はグループ別会社で取り扱っており、NTKテクノロジーズはカリフォルニア州サンタクララの本社を中心に、ボストン、オハイオ、フェニックス、アーバインの全5拠点で〝非自動車産業〟におけるセラミックスの販売を行う。

セラミックパッケージ

 田島さんはNTKセラテックの副社長も兼務し、日本国内で製造される製品の製造から国内外の販売まで全ての流れを見ている。90年代の就職時に、〝これからはセラミックスが伸びるはず〟と、日本特殊陶業株式会社に入社した。その後一貫して営業畑を歩んできたが、入社7年目の時に産業用セラミクス(半導体の製造装置)の北米市場拡販の話が持ち上がった際に、自ら手を挙げて北米市場に関わることになった。全2回、通算13年でサンディエゴ、シカゴ、サンタクララに駐在し、当初は電話番から顧客開拓、売り込みにプレゼンまで、全てを一人で取り組んだ。英語もおぼつかないという状況だったが、やる気には満ち溢れていた。

 「感じたのは〝アメリカはフェアな国〟だということです。30歳のアジア人でも、英語があまり話せなくても、良い製品だと伝われば、皆しっかりと耳を傾け聞いてくれました。頑張った分だけ認め、それに対する評価をくれる国だと思います。NTKセラテックには、〝創造と挑戦を楽しむ〟というスローガンがあるのですが、当時30歳の自分に大きなチャレンジの場を与えてくれたように、今の社員達にも、これまでの延長線にはない、新たな創造と挑戦を楽しんでもらいたい」と田島さんは話を括った。

  《企業概況ニュース5月号 vol.280掲載》

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