Home > Featured > 《UJ THINKTANK》『デジタル資産』で 顧客との繋がりを 構築する
UJ THINKTANK
CTO (Chief Technology Officer) 関 良太郎 さん           https://ujthinktank.com

「デジタル資産」とは?

 飲食店のオーナーも自ら「デジタル資産」を形成すべき時代だと、UJシンクタンクの関さんは話を始めた。レストランにとっての資産とはお金であり店舗、人気メニューでありシェフと言われるが、何よりも大切なのはそこでの食事を楽しんでくれる顧客だ。これら全てが一体となり初めて価値が生まれる。それではデジタル資産とは何か。それはトラフィックが多く、顧客との接点を生み出せるウェブサイト、そしてSNSのフォロワーなどといったデジタル上の「顧客との繋がり」だ。

 コロナによりデジタル化への注目度は一気に上がった。それは飲食業界も同様で、デリバリーやテイクアウトへの導線を増やし売り上げに繋げることが急務となった。しかし、デリバリーサービスを使っている間、デジタル資産は生まれにくい。なぜならば、資産となる顧客情報はデリバリーサービス会社に帰属し、また、一定のコミッション料を払わねばならないためにキャッシュフローも厳しいまま。そこから抜け出すには、独自ドメインでのウェブサイトを立ち上げ、収益を上げられる仕組みを作ることだと関さんは言う。「綺麗なウェブサイトが必要なのではありません。ウェブサイトの集客力から収益を得る。───それがデジタル資産なのです」。

 日本でIT企業の営業マンとして働き、ITが生み出す価値を学んだ。2008年に渡米した後は英語を学びMBAを取得、以前から興味のあった食品業界へと飛び込んだ。営業として様々なレストランを見るうちに、デジタルから一番遠いこの業界にこそ、デジタル化が必要だと感じた。そして、デジタル知識を持つ飲食経営者が少なく専門家を雇う余裕もないこの分野に、自分を必要とする人たちがいると確信し、今年8月にUJシンクタンクの立ち上げに参加した。

 デジタルマーケティングは、飲食業界のみならず、どの業界でも根本的な考え方は同じ。ITツールを駆使していかに顧客と繋がるデジタル資産を形成するか。必要なのは、日々変わる情報をいかに早く捉え、実行していくかである。「例えば、グーグルでは来年3月いっぱいで、検索キーワードの採取をPC優先からモバイル優先へと完全移行、このモバイルファーストの流れに対応できなければ、検索上の順位が劇的に下がることが想定されます。こうした英語で発信されることの多い情報を瞬時に取得し対応策を練る。そのサポートとしてUJシンクタンクのような専門家をどう活用するか。これがこれからの生き残りに不可欠なIT戦略になるはずです」と関さんは話を結んだ。

  《企業概況ニュース》2020年 12月号掲載