Dexerials America Corporation
President
根本 憲之 氏 Mr. Noriyuki Nemoto
日系企業(機械、化学、物流)及び外資系企業を経て、2020年デクセリアルズ(株)入社、同年7月より現職。アメリカ西海岸3ヶ所、シンガポールにおいて通算13年の海外駐在経験。現在は、シリコンバレーで営業・マーケティング活動、アトランタでは記録メディア用材料製造・管理業務を担当。新規ビジネス・拠点開発、M&A、海外人事制度策定・運用、IP Landscape推進などの経験をベースに、ビジネス開発・拡大、DX、生産性向上、COVID-19を含むリスク対策に取り組んでいる。
Pasona N A, Inc.
President & COO.
古代 賢司 氏 Mr. Kenji Furushiro
MBA取得後、パソナグループの米国法人パソナN Aに入社。営業、人事開発部マネージャーを経て、2013年に代表取締役に就任。人材サービスの提供に限らず、全米各拠点にて最新のトレンドを踏まえた多様な内容のセミナーも開催。また地域貢献として、日系企業ネットワーキング会の開催や進出企業への基礎情報提供などを積極的に行っている。全米10拠点をベースに、日系企業のグローバル人事戦略を総合的に、また迅速に支援できるよう奮闘中。
パンデミックの影響により、経済や世界情勢、人々の働き方、暮らし方が変化していく中で企業はどう生き抜くべきなのか? 米国パソナ社長・古代賢司さんが、様々な業界のエグゼクティブと対談し、日系企業の今、そして未来について深堀りしていく人気のウェビナーシリーズ。第11回目の今回は、ゲストスピーカーに Dexerials America Corporation(以降、デクセリアルズ)プレジデント根本 憲之氏を迎えて、様々な角度から切り込んでお話をして頂いたその一部を紙面でご紹介していきます。
古代さん 今回、パンデミックなどのビジネス環境の変化や新しい働き方に対応することで、貴社は右肩上がりに成長されているとお伺いしました。日系企業は、変化に対応するスピードがウィークポイントになりがちですが、どの様な戦略によって活動を導いたのでしょうか?
根本さん 当社の製品の特性上、ニーズの変化を捉えて対応することが企業文化として息づいています。特に需要変動の激しいエレクトロニクス機器では、需要の高い低いに関わらず対応できるよう準備する為、環境や制度の変化への対応は普段から意識しています。そして何より、当社を支えて頂いた原材料メーカーの方々に、同じメンタリティで動いて頂けた点も、非常に幸運でした。お客様だけではなく、パートナー企業様との連携も非常に重要で、日頃からの適切なコミュニケーションが、当社のビジネスを支える原動力になりました。
古代さん 日本には右に倣えという文化があると思いますが、米国に進出されてから、日本独自の文化をどのようにマネジメントされてこられたのでしょうか?
根本さん 会社の経営方針やコンプライアンスの考え方などの研修は全社共通で動いています。全社員が等しく研修を受けて、考え方を学ぶ、もしくは、自分の行動を見直すということを繰り返してきました。日本人でなくても幹部社員が、どういったオペレーションが当社のスタンダードなのか、ということを理解した上で運営ができるようになりました。弊社では、研修にeラーニングのシステムを導入していますが、これも早めに手配しておいて良かったなと。新しい技術を積極的に採用するのが大事だなと改めて思っています。
古代さん 継続する文化として元々培った良いところを残し、リモートワークなど新しい文化を作り上げる点は、経営者の方々が日々悩んでいらっしゃると思います。リモートワークやeラーニングは、パンデミックの前から導入されていたのでしょうか?
根本さん はい。アメリカのオペレーションでは、裁量労働で成果を出してくれればよい、ということでリモートワークに切り替えました。リモートワークでの集合研修というのは難しい為、早くからeラーニングを取り入れてよかったです。
古代さん 貴社の成長にとって、分析技術の高さが大事なエッセンスとのことですが、貴社にマッチする人材を確保する為に工夫されていることはありますか?
根本さん その点はずっとチャレンジだと感じています。当社では、変化に柔軟に対応しながら、自社のビジネスのコアを見直し、営業も開発も製造もコアを磨いていく形で動いています。特に今は「どこで勤務するか」ということを重視する社員もいますので、工場に近い所に住んでいる社員も働きやすいよう制度の変更を躊躇せずに取り入れています。こういった文化も従業員満足度に繋がると考えています。
古代さん 文化が強い企業では、リーダーシップが舵を切る際、変化に柔軟な方もいる一方で、インフルエンスが強い方がバイインされないと、方向性がずれる事があると思います。その点はどのように対応されたのでしょうか?
根本さん やはり、日々の変化に気づくことが大事だと思います。コミュニケーションを取って「その変化はいいね、もっとやろうよ」など、リーダーシップ側から意思を入れることが重要だと思います。特に今は対面での会話が難しい為、日々情報を集めて、対面で会えた時に振り返りながら褒める・叱るということが、新しい働き方では大事なのだと考えています。リモートワーク、新しい働き方、時差、場所に対応するには情報インフラの在り方や、処遇をどれだけ機敏に見直すかなど、工夫し続けることが大事だと思います。
古代さん 多くの企業の方々が、経営戦略に合わせた出勤体制を検討されている中で、御社は工場の方以外は100%リモートワークですね。
根本さん そうです。ほぼリモートワークが前提で、必要な時に会議で集まる。新しい働き方を作って、今のところ問題なくまわっています。お客様も同じタイムゾーンにいるわけではないので、移動がないというのが逆にメリットになっています。
古代さん 根本さんがおっしゃる「たまに会う、ゆるく繋がる」というキーワードは、5~10年前のマネジメントとかなり違う方法だと思いますが、ゆるく繋がることの難しさに対するアドバイスがあればお願いします。
根本さん ライフバランスを重要視して、新しい経験や繋がりを作ってくださいね、その分仕事も頑張るようにという両方のメッセージを放つようにしています。パンデミック時は、新しい働き方がどこまで制御できるか不安に思いながらもチャレンジしました。社長だけでなく、マネジメントレベルでも柔軟に考えることで成果や満足度に繋がることを実感できたので、チャレンジして良かったと思います。
古代さん 今回お話を伺って、ビジネス環境の変化をうまく追い風に捉えてトランスフォームされ、今の成長のベース部分を築かれたのだと思いました。ありがとうございました。
対談のフルバージョンはPasona VHRBPサイトにてご覧いただけます。*視聴には登録が必要です
*次回のエグゼクティブ対談はYamato Transport U.S.A. Inc.様と10月13日(木)に開催予定です。
申込みはこちらをご確認ください。
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《GLOBIS USA, Inc. 編》アメリカに役立つ目線で「志教育」をGLOBIS USA, Inc.の挑戦