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DBJ Americas Inc.
       DBJ AMERICAS INC.           CEO 上定 昭仁 氏

2018年10月、株式会社日本政策投資銀行(以下DBJ)の100%子会社として設立された。
親会社であるDBJは政府全額出資を継続する形で2008年に特殊法人から株式会社化されたが、
その歴史は戦後まもなく設立された日本開発銀行にさかのぼる。政府系のバックグラウンドを
もつDBJの役割は多岐にわたり、中央官庁、地方自治体、民間金融機関などと協業しながら、
日本経済、民間企業の抱える諸課題を解決に導く。

 


公益性と収益性、そして日本の国益に資するか  

 「弊社は、(そのプロジェクトが)日本の国益に資するかをポイントに安定性・信頼性の高い資金を提供し、日本企業の活躍をサポートします。官と民、国内と海外、民間銀行や企業の間に立ち、公共性・中立性を活かしてその橋渡し役を担います」と上定氏。投融資一体型の多様な金融サービスを活用し、様々な産業分野、規模のプロジェクトを支援する。米国では特にエネルギー、運輸交通などのインフラ分野に注力し着実に実績を重ねている。産業としての裾野が広く経済波及効果が見込まれる航空産業はDBJの注力分野のひとつであり、米系航空機リース事業におけるシンジケート・ローンでは、15の国内金融機関を束ねるなど同社の特長を発揮している。米国での出資事例には日本のエネルギー事業者とともに手掛ける発電事業があるが、今後日本国内で強化されるであろう環境規制にいち早く対応し、持続可能な経済社会を実現するという目的がある。

 日本企業による海外企業の買収に際しても、「政府系であるDBJが株主になることで他国企業の安心感が得られ、日本企業主体の経営にスムーズに移行できます」と上定氏は話す。国境を跨ぐ事業でもDBJの中立性と信頼性が発揮されるのだ。DBJは投資機能を強みの一つとしているが、常にステークホルダーの立場に立ち、企業の課題解決、成長戦略実行のためのアドバイザリーやネットワークの提供を積極的に行っている。更に大規模災害時などの危機対応融資もDBJの重要なミッションであり、直近では新型コロナウイルス感染症によって懸念される経済的影響に対応するため相談窓口を設けた。

グローバル⇔ローカル

 「グローカル」という言葉が広まって久しいが、海外に4拠点、国内に10支店・8事務所を構えるDBJの取組みはまさにそれに当たる。上定氏は12年前にシンガポール事務所の現地法人化に携わり、アメリカ赴任直前には出身地である島根県の松江事務所長を務めた。同氏は「大学進学で地元を離れてその良さを実感し、故郷を始め地域の課題解決に貢献したいとの想いでDBJに入行しました。国内外での経験を活かして、地域と地域、地域と海外をつなぎ、新たな価値を創造する役割が果たせればと思います」と語る。また「山陰地方は少子高齢化など深刻な問題に直面する『課題先進地域』ですが、だからこそ全国の地域活性化の手本となる先端的な取組みが多数あります。例えば、DBJが一昨年出資したいちご観光農園事業は、荒廃する耕作放棄地を転用したのち、農業にテクノロジーを導入することで障がい者の雇用機会を創出し、同時に地元産物でインバウンド観光客を呼び込むという全国の範となる取組みです」と胸を張る。DBJは地域が強みを活かして経済活性化を図るため「地域元気プログラム」という制度を設けており、地域における先進事例が将来日本全国に向けたソリューションになると構想している。

 DBJ AMERICASは、日本の課題解決のため、米国で生まれる先端テクノロジーやレギュレーションなどの新しい潮流を捉え、それを日本に紹介、導入する役割も担う。同社の活躍により、日本経済の活性化と豊かな未来がもたらされることを期待したい。

《企業概況ニュース》2020年 4月号掲載

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