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【DIGITAL MARKETING特集】綿密な分析、改善を繰り返し、 ずっと続けることが大切

Touch-Base(タッチベース)               https://touch-base.net
代表/デジタルマーケター 野村 晶大   氏 

 カナダ・バンクーバーにある現地マーケティング・エージェンシーに3年勤務し、北米市場におけるデジタルマーケティングの面白さに魅せられた。『日本の商品をもっと北米の人たちに伝えていきたい』─── その想いを胸に東京に拠点を移し2年、オウンドメディア「Touch-Base」上で北米市場の魅力を伝えると共に、その実現に必要な考え方を広めてきた。

 コロナ拡大によりデジタルマーケティングに消極的だった企業も真剣に向き合い始めた。「できることはたくさんある。既存顧客のメーリングリストを利用してニュースレターを配信するだけでも大切な第一歩です」と言う。注意すべきは「新しいツールや施策」導入にこだわるのではなく「達成したい目的」から入るということ。目的をしっかり吟味した上で、その実現にはどういったマーケティング施策やツールが必要かを考える。「例えば高価なマーケティングオートメーションツールを導入したが、ほとんどの機能を使っておらず、お金を無駄にしているケースも多い。実際に必要な機能は月数十ドル程度のツールで賄えていたノ ということもあります」と、その言葉の真意を野村さんは説明する。

デジタルマーケティングの入り口は一つではない

 大別するとマーケターには、①顧客心理を掴むのが上手い、②クリエーティブに強い、③発信力が高い、そして④データ分析に強い、4種類のタイプがあり、野村さんはその4番目に分類される。「ツールを駆使すればビジターや問い合わせ、資料請求などの〝反響〟を増やすのは簡単です。しかし〝成約率、申し込み、商品売り上げ〟はどうでしょう。結果が出なければその施策は改善の余地がある。どのような経路からロイヤリティの高い顧客が生まれ、どのキャンペーンや新商品が消費者にインパクトを与えたのか──様々なデータ指標を綿密に分析し、改善を繰り返し、ずっと続けることが何よりも大切ということを理解して欲しいのです」。

 その実現のためには長いスパンでの継続的な投資が必要かもしれない。通常は数千〜数万ドルかかるウェブサイト構築も、一回作ったら終わりではない。それならば小さく始めて少しずつ必要な投資を追加していけば良い。現在ではワードプレスなどのCMS利用で手軽に行えるが、ドメイン取得やサーバーセットアップ、スマホ対応や分析ツールの搭載、そしてその後の分析も考えると初心者には手が余るかもしれない。それならばと、野村さんはウェブサイト立ち上げから保守まで基本的サービス全てを月額100ドルで行うパッケージを用意することにした。

 「デジタルマーケティングの入り口は一つではありません。ピカピカしたバズワードに惑わされることなく、何が目的なのかを見極めてください。それがクリアになって初めて、デジタルマーケティングを活用し、その効果を最大限に発揮することができるのです」。商品が国境を超え、異文化市場での新しい扉を開くチャンスが、誰の手にも与えられる流れが生まれて いる。

《企業概況ニュース》2020年 9月号掲載