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ライフサイエンスの本場で新製品を開発
Rohto The Mentholatum Company    Director of Finance & Administration (Philadelphia) 
https://rohtoeyedrops.com/       パット・ディリー (Pat Dailey)  氏        

 ロート目薬やスキンケア製品の肌研(ハダラボ)、メンソレータムのリップクリーム。日本人ならはっきりとそのパッケージが思い浮かぶ、一般用医薬品やスキンケア製品でお馴染みのロート製薬がニューヨーク州北部を本拠とするアメリカの家庭用塗り薬の老舗メンソレータムを傘下にしたのは1988年。その後ロート製薬米国本社がフィラデルフィアに設立されたのは1997年のことである。当時候補地として米国各地が視野に入れられていたが、米国最初の病院設立の地であり、屈指の学術機関が集積するライフサイエンス分野で最先端の同地が選ばれた。

 「アメリカでメンソレータムと言えば多くの人が、お年寄りが風邪をひいたときに胸に塗る薬をイメージします。日本で受け入れられているナースの絵柄を復刻させようとしたこともありましたが、90年前の看護婦さんがモチーフなのでアメリカの人々には古めかしいと感じられてしまいました」と日米における同社製品のイメージの違いを話してくれたのは経営管理をするパットさん。メンソレータムの名前はメントールに由来しており、ナチュラル志向の消費者が増えるなか、天然のメントールを使用している同社製品のイメージも変わりつつあるという。また、進出当初米国でロート製品を知る人は居なかったが、認知度の変化も実感している。日本で目薬の用途といえば目の病気や疲労の予防・緩和に加え、美容や眠気覚ましに対する効果を期待するイメージもある。「アメリカで目薬は涙に代わるものとして使われているため、日本の目薬は刺激が強すぎるようですが、若い人の間では目がスッキリする刺激が受け入れられ、ロート目薬は若者の目薬として認知されているようです」とパットさんが話すように、目薬自体のイメージが日米で違うようだ。米国ロートはR&D拠点として30名ほどの研究員がおり、ニューヨークのメンソレータム社から製品を販売している。

アメリカではHada Labo Tokyoのブランド名で展開されているハダラボ。日系マーケットでも見かける日本で販売されているハダラボ製品と成分は一緒なのだとか。身近なウォルマート、ターゲット、ライトエイドなどの棚で既に目にしているかもしれない。

 

 

《企業概況ニュース》2021年 03月号掲載