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《CANON SOLUTIONS AMERICA》

 キヤノン・ソリューションズ・アメリカ社(CSA)では、日系企業向けオープンハウスイベントを9月14日に開催した。これまでも同社では、こうした顧客向けイベントを開催してきたが、パンデミック以降の対面式開催イベントは今回が初となる。

 キヤノンの名前からイメージするのは、カメラやコピー機、プリンターかもしれないが、同社の持つ技術はそれだけに留まらない。各プロダクションの機械を繋ぐ様々なソリューションも持ち合わせており、どのようにドキュメントを最適化し、ペーパーレス化していくかといったソフトウェアや、DX(デジタル・トランスフォーメーション)化に向けたコンサルティング業務も得意としている。DXと言っても様々だが、プリントを主業としてきた同社にとって、紙のデジタル化や自動化が一つのキーワードとなる。請求書や契約書をはじめ、様々な帳票をデジタル化し、それをドキュメント・マネジメント・システムで管理する。この準備段階を経て、初めて本格的なデジタル・トランスフォームのステージの入り口に立つことができる。

 そのDX化の一つとして同社が提案するのが、クラウド商材「ユニフロー・オンライン(Uniflow Online)」と「ゼアフォア・オンライン(Therefore Online)」による2つのソリューション。「ユニフロー・オンライン」は、ピンコード入力やカード認証でコピー機をクラウド管理し、独自のプリントジョブ環境を確立するというもので、さらに、スキャンしたそれらの文書データを格納するクラウドストレージが「ゼアフォア・オンライン」だ。クラウドストレージにワークフロー機能が付加している点が、このソリューション最大の特徴となる。

コンパクトで持ち運びにも便利なAMLOS

 さらに、キヤノンがこのパンデミック化で開発を進めてきた同社独自イメージング技術を使った新商品が「アムロス(AMLOS:Activate My line of Site)」。リモートワーク環境で定着したズームやチームズによるビデオ会議の体験を、さらに拡張するという。リモート会議で処理されるデータ量はかなりの大きさだが、そこで共有される情報量は対面での会議よりも少ない。ほとんどの会議では人の顔が映し出され、画像共有されたとしても一つの書類を皆で見るだけという、人の視点が極端に制限されているためだ。

 これを解決するためにキヤノンが提案するのが、1台のカメラで複数のスクリーンビューを作り、リモートユーザーの観点で様々な情報を得られるようにする仕組み。こうしたアイデアが「アムロス」だ。会議ごとに個別のURLを作り、そのリンクを知っている人がウェブブラウザから会議に参加できる。ホワイトボードとルーム全体、プレゼンターと前に置かれたプロトタイプなど、それぞれが各自で気になるスクリーンを選択できるという。

 もう一つアムロスの特徴的なポイントが、ジェスチャーでカメラをコントロールできるということ。「このプロトタイプを見てください」と指差しながら手を開けば、カメラがそのジェスチャーを認識し、高解像度の4Kカメラによるビデオストリームが行われる。画像は自動的に各種補正が施され、特にホワイトボードの場合は、人が重なっても、人影を透かしてホワイトボードを映し出す。アムロスは、10月以降の市場投入を予定しており、クリエイティブ、デザイン、ソフトエンジニアリングといった〝コラボレーション〟が必要となる領域での需要や、クオリティの高いブレインストーミング会議を求める場面での利用も見込まれている。

 パンデミックを経て、DXをはじめ、新しいソリューションの提供に積極的に乗り出すキヤノン。そこから生み出される、新しい可能性に注目したい。

  《企業概況ニュース10月号 vol.286 掲載》

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