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[FOCUS] 顧客と一緒に挑戦していく 加速するDX、 そして「5G時代」へ《KDDI アメリカ / テレハウスアメリカ》

KDDI アメリカ / テレハウスアメリカ 
代表取締役社長 兼 CEO 延原 正敏  氏 
www.us.kddi.com

潮目が変わり、本格化するDX

 新型肺炎コロナウイルスの蔓延により世界の状況が一変し、アメリカ各都市でも日常生活、職場での仕事のやり方に大きな〝変革〟が求められるようになった。在米日系企業の多くはリモートワークやペーパーレス対策に積極的に取り組むことなく、しっかりとした準備が整わぬままに今回のロックダウンへと突入した企業も少なくない。とにかくリモート環境を整え、セキュリティ対策に考慮しながら業務を継続していく─── こうした状態を数ヶ月続けてきたが、経済活動再開後の第2波を感じつつ、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)気運が一気に高まっている。

 これまで当たり前であった対面型の営業スタイルも、Zoom、Hangout、TeamsなどのITツールを駆使する流れにある。しかし、全ての人がこれらを使いこなせる訳でもなく、ITツール上でのコミュニケーションに馴染めずにストレスを感じている人も一定数存在する。また、生産性を落とすことなくマイクロマネージも望まない管理職が、部下との距離感に悩むという話もある。こうした環境変化への適応が〝新しい時代を生き抜く〟ということなのかもしれない。

 今回のことで、時代の流れに乗り遅れることの怖さに気付かされた経営者も多い。ひと昔前のように多額な初期投資で機器を購入せずとも、今では様々なクラウドサービスやサブスクリプションモデルのサービスを利用することで、手軽に様々な改善を行える時代。もちろん100%成功する保証はないが、小さい投資を行いPOC(プルーフ・オブ・コンセプト)することで見えてくる事象もある。大切なのは、成果を判断するためのKPIを設定し、チームでストーリーを描きながらプロジェクトを進められるかどうかなのだ。

顧客と共に、新たな価値を創出する

 「Tommorrow, Together」のブランドスローガンのもと、未来を切り拓くKDDIアメリカでは、顧客と社会を〝ツナグ〟。そして、デザインシンキングのコンセプトのもと、クライアントと共にブレインストーミング形式でディスカッションを重ねながらDX変革の成功へと導いて行く。『どのように変化させたいのか』───各企業の持つノウハウや強みにKDDIアメリカの経験やIT事例を掛け合わせることで、新たな閃きや価値を創出していく。製造工場にセンサーを設置することで安全性や生産性を向上させる。そしてロジスティクス管理でコスト削減を実現し、小売販売を見える化することで売り上げを促進する。POCとして実際に動かしていくことが、各企業のペインポイントを解消していく近道となる。

 リモートフレキシブルなネットワーク環境が整備され、人とネットワーク、そして様々なモノが繋がるIoTの世界。さらには、AIやデータ分析で付加価値を持った情報が現実世界へとフィードバックされ、ビッグデータが飛び交う5G時代が訪れる。本当の意味でのハイパフォーマンス5Gネットワークが全米中に張り巡らされるのは、まだ数年先の話。現時点では、10万人収容のスタジアムに多視点カメラが設置され、観戦者が一斉にスマートフォン片手に様々な角度からゲームを眺め、選手にレンズを向けてデータ収集するなどといった実験が行われている。5Gの時代は、もうすぐそこまで来ているのだ。

まずはやってみる

 こうした時代のスピードに遅れないように、企業では、働く従業員の意識改革も同時に進めていく必要がある。インフラを整え、変革の下地はできた。そこで何を変革させるのか。企業のトップがしっかりと見極めながら社員のベクトルを揃える。KDDIアメリカ社長として着任して2年。延原さんが心がけるのは、「まずはやってみよう」という精神を持つこと。失敗してもいい、スピード感を意識していかなければ世の中の変化に乗り遅れる。着任後すぐに社内で実施した「やってみようコンテスト」では、社員から出されたアイデアを1年かけて実行してきた。結果として、社内のペーパーレス化やリモートなどのシステム化も整備され、今回のコロナ禍においても、余裕のある対応が取れた。クライアントと一緒になって考え、そしてPOCで小さく始める───自ら実践してきたからこそ、自信を持って提案できる秘策なのだ。

  《企業概況ニュース》2020年 創立記念号掲載