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【米国人事労務管理 最前線】 在宅勤務の 継続にあたって

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。米国全体では、これまでに1200万人以上が感染し、25万人以上が亡くなったとされています。

 また、陽性率の増加に伴い、カリフォルニア州等の一部の地域では夜間外出制限令が出されるなど、行動制限を強化したり、ホリデーシーズン中の移動を控えるように求めたりしています。

 当地ニューヨーク市では、公立学校を再閉鎖して授業は全てオンラインに切り替えられ、レストランのインドアダイニングは再禁止になる可能性が高いなど、再び後退しています。

 早ければ12月中にワクチンの提供が開始されるとの見通しもありますが、広く一般に行き渡るには時間がかかるでしょうから、まだまだ感染リスクを気にしながらの生活が続くことになるでしょう。それは日常生活だけでなくビジネスでも同じで、オフィスの安全管理の徹底はもちろんのこと、従業員の在宅勤務を継続するなど、感染リスクを少しでも減らす対策や工夫が求められます。

 3月に各地で外出制限令が出され始めた時には、オフィスを閉鎖して従業員を在宅勤務に切り替えるのは一時的なものになるだろうと思った方も多かったかもしれません。

 しかし気付いてみれば早くも8か月以上が経過しています。これだけ長い期間になると、会社にとっても従業員にとっても在宅勤務のメリットとデメリットを様々な点から評価することができたのではないかと思います。

 依然としてワークライフバランスの充実、通勤時間やコストの削減、生産性の向上等のメリットを感じている方が多い一方で、業務に集中できる環境の整備不足、コミュニケーションの質や頻度の低下、それらに起因する業務効率の悪化などのデメリットを感じられている方もいらっしゃるようです。

 そして、多くの方がニュー・ノーマルの働き方として、在宅勤務とオフィス勤務のハイブリッドを志向する傾向が強くなってきているようです。

 実際、コラボレーション・ツール提供大手のスラック社が実施した調査によると、フルタイムでオフィスで働きたいと回答したのはわずか11.6%にとどまり、リモートとオフィスのハイブリッドを希望すると回答したのは実に72.2%にのぼるという結果が出ています。したがって、このコロナ禍が落ち着いたとしても、従業員をフルタイムでのオフィス勤務に戻すというのはその流れに逆行していると言えるでしょうし、在宅勤務を継続することで従業員の満足度を高くキープできる可能性が高いとも言えるでしょう。

 ただ、前述のとおり、この約8か月間で実感したり証明された在宅勤務のデメリットもあるでしょうから、これから年末に向けて、それらの課題を洗い出し、解決案を検討し、来年の人事労務管理のアクションプランに含めていただければと思います。

 人事労務管理関係でご質問等がございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。

三ツ木良太 
HRM Partners, Inc. President and COO

《企業概況ニュース》2020年 12月号掲載