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《アリゾナ日本企業懇話会》

アリゾナ特集:自然災害もなく、スノーバードの訪れる温暖な環境
《アリゾナ日本企業懇話会》

ャンラーやギルバートの南東部に加えて、北部エリアの開発も

JBAA(Japan Business Association of Arizona)
アリゾナ日本企業懇話会
代表 長尾 幸伸 さん (NTKテクノロジーズ) (写真左)
事務局 安孫子 春代 さん (写真右)

 

 日本語補習校「アリゾナ学園」の支援や、日系企業勤務の駐在員やその家族支援、日本とアリゾナの相互理解に向けた活動を続けるJBAA(アリゾナ日本企業懇話会)。台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)の進出をはじめ、注目度が集まるアリゾナ州の様子や生活について、代表の長尾幸伸さんと事務局の安孫子春代さんにお話を伺った。

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長尾さん:ここ数年、アリゾナ州は全米で最も人口流入の激しい州となっています。TSMCをはじめとする半導体業界の動きもあり、今後は日系企業に限らずアジア系企業全体の進出が増えると見ています。元々、チャンドラーにインテルの大きなハブがあり、さらなる拡張工事に取り掛かっています。この世界トップ2の半導体企業が牽引する形で、装置メーカーや材料メーカーなどの関連サプライヤー企業が増えていく可能性があります。人が増えれば、当然その生活を支える環境整備も進みますので、住宅やホテル、飲食関連の進出も期待できそうです。

 現在約20社の会員企業が登録しているJBAAでは、現地の日本語補習校「アリゾナ学園」の支援を軸に、アリゾナ州立大学(ASU)で日本語を学ぶ学生のための日本語スピーチコンテストを支援したりもしています。もちろん、アリゾナ州へ進出を検討する企業に対しての助言、適切な組織へのご紹介も行っています。

安孫子さん:日本人留学生のサポートもしています。コロナ禍の過去2年間は休止していますが、アリゾナに来たばかりの留学生を集め、フォールピクニックなどを開催して、留学生同士がお互いに相談に乗れる間柄になれるよう、きっかけ作りに努めています。

 アリゾナ州で日系企業が一番多く拠点を構えるのは、フェニックス南東部に位置するチャンドラーやギルバートといったエリアです。インテルのあるチャンドラー周辺から栄えたのだと思いますが、TSMCがI-17と303の交差するノースフェニックス、何もない新しいエリアを切り拓いて工場を建設するので、今後はその分布図にも少し変化が生まれると予測しています。とはいえ、ご子息のいる駐在員家庭の家選びで重要視されるのは学校区だと思いますので、私どもがご相談を受ける際には、今の状況をしっかりと説明しつつも、現時点での良い学校区である南東部エリアをお勧めしています。

長尾さん:半導体産業ばかりが注目されがちですが、自動車産業にとってもアリゾナは重要な場所です。アリゾナ州郊外には平らで広大な敷地がたくさんあること、そして自然災害もなく、自動車のテストコースを置くには最適な環境のようです。もちろん夏は120°F近くまで気温が上がるので、過酷な環境下でのロードテストにも適しているようです。

 夏は本当に暑く、日中に人が出歩いていることはほとんどありません。アリゾナにはプールの付いた一軒家やアパートが非常に多く、夕方になると人がパラパラと建物から出てきてプールに浸かって体を冷やす光景が見られます。雨も7月から9月に多少降りますが、基本的にはカラッと乾燥した好天の日が続きます。

 自然災害が全くない訳ではありません。7月から9月にかけて、たまの頻度で「ダスト・ストーム」という砂嵐がやって来ます。アリゾナ近隣州特有の災害だと思いますが、雷雲のようなものが突然立ち込め、雨ではなく砂や小石が勢い良く舞う現象です。それも30分から1時間程度で過ぎ去るのですが、運転中にダスト・ストームに出くわすと非常に危険です。ストーム後も、近くの車が巻き上げた小石が飛んできて車が傷ついたりもします。アリゾナでは、ウインドシールドが割れる頻度が、とても多いのではないでしょうか。

安孫子さん:こうした環境下で、特有の風土病「バレーフィーバー(Valley Fever)」というものもあります。ストームで運ばれる砂の中にあるウイルスが体内に入り高熱を引き起こす病気です。一度罹ってしまうと再発の可能性が高まるらしく、それが原因で移住を決める人もいらっしゃるようです。

 それに対して冬場は本当に快適です。暖かい環境を求めて寒冷地の方々が毎冬訪れます。こうした人たちを総称し〝スノーバード〟と呼ぶのですが、サンクスギビングから3月ぐらいまでのこの時期には避寒地としての需要が高まり、ゴルフ場やホテル、賃貸アパートの値段が一気に跳ね上がります。私はアリゾナ州に移り住んで16年目になりますが、当時と比べると人がかなり増え、新しい高速道路も増えました。これまではスノーバードの来る冬だけ賑やかな感じでしたが、ここ数年は夏場にも交通渋滞が起きるほど人が増えています。

 その他に、アリゾナならではというものを挙げるとすれば、ガラガラ蛇が生息しているということでしょうか。3〜4月頃に冬眠から覚めて活動を始め、その時期のハイキングは非常に危険で、立て看板もあちこちに見かけます。山近くの住宅地では、家の庭にガラガラ蛇が出没し、放っておくと産卵をして個体数が増えてしまうため、見つけた時には必ず処分します。ガラガラ蛇を調理しメニューに載せているレストランもあります。美味しいものではなく、硬めの鳥のような感じです。メキシコの国境に近いので、メキシコ料理のクオリティは全体的に高めです。サボテンは、フレンチフライのように細く切って揚げたものが美味しいですよ。

長尾さん:JBAAは、2021年3月で30周年の節目を迎えました。今後、日系企業数が増えていくのであれば、組織活動も少し拡大させていきたいと考えています。アリゾナ州と日本の関係はすでに良好な方だと思いますが、より一層の相互理解を獲得していきたいです。例えば、アメリカ三大日本祭りの一つと言われている「アリゾナ祭り」には、二日間で約8万人の参加者が集まります。毎年2月に開催されるのですが、今年は昨年に続きオンラインでの開催が決まりました。これまでもJBAAでブースを設けて参加してきたのですが、こうした文化的なイベントにも積極的に参加し、お互いにとって良い関係性を築いていきたいですね。

 

《企業概況ニュース》2022年3月号掲載

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