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《IRIS USA, INC.》 社内対談

なぜアリゾナに??
《IRIS USA, INC.》 社内対談

*IRIS USA, INC.  (写真左から)
https://www.irisusainc.com/

髙橋 博之 さん (President)
IRIS USA社長として日本から赴任。2018年からアリゾナ在住。

ロゼル 洋美 さん (Administrative Manager)
本社移転を機にウィスコンシン拠点から2016年にアリゾナへ。

豊原 賢治 さん (Marketing Manager)
ロゼルさんと同じく本社移転を機に2016年からアリゾナ在住。

 

 「快適生活」をキーワードに、家具、家庭用品、ペット用品など、人々の暮らしを快適にするものづくり企業アイリスグループは1992年の米国進出当初カリフォルニア州ストックトンに本社を構える。その後、ウィスコンシン、アリゾナ、テキサスに工場を構え、5年前にアリゾナ州最大の都市フェニックスから車で40分ほどのサプライズ市にあった工場に本社機能も移転。2020年にはペンシルベニア工場も稼働させている。

 今回は、アイリスUSAの皆様が実感しているアリゾナでの事業環境、生活環境についてお話し頂いた。

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アリゾナに拠点を設けた理由

髙橋さん日本との時差、広い土地、労働力の確保、そして天気がよいことですね。西海岸のシェアを視野に入れ工場を設立し、その後本社機能まで移転した理由は多くの日系企業が西海岸に拠点を置く理由でもあると思いますが、やはり弊社も日本にあるヘッドクォーターがマネジメントの中心にありますから、日本との時差という理由もあります。それなら、西海岸でいいのでは?と思われるかもしれませんが、メーカーとして製造、保管、出荷もできる広大な土地が必要でした。広いので、将来的に事業規模の拡大に合わせて拡張の余地もあります。

 労働力については、弊社が工場を構えている他の都市と比較しても人材確保がしやすいと感じています。移転当初に知っていたわけではありませんが、フェニックスは全米でも4番目に人口の多い都市だそうです。そして何より天気がよく、災害も無いのがよいところです。

 立地面についても、弊社は輸入もしますから、カリフォルニアのロングビーチ港に近いのも決め手ですね。中西部や東海岸にも製造拠点はありますが、この拠点はカリフォルニアを中心とした西海岸マーケットの戦略的拠点という位置づけです。フェニックス近郊でもなぜサプライズ市なのかということもよく聞かれますが、鉄道が通っていることが重要なポイントになりました。原料を購入した際に、トラックだけでなく鉄道を使って購入しているので、敷地内に鉄道が引けるかどうかも工場用地を選ぶときの決め手です。

 

肌で感じるアリゾナの人口増加

髙橋さん自宅の周辺に停まっている車はカリフォルニアナンバーやテスラ車が増えました。弊社の工場が出来た頃、周りは荒野だったと聞いていますが、今では工場が乱立しており、労働力の奪い合いも始まっています。

豊原さんボーイングやアバクロなど、工場や物流センターが竹の子のようにポコポコできていますよ。

ロゼルさんこれまで車で8分で通勤できていたのに、15分かかるようになりました。

豊原さん交通量が増え、あちこちで道路の拡張工事をしていますね。

ロゼルさん商工会に参加すると最近の話題は、どう道を増やすかでもちきりです。この辺りはフェニックスに通勤している人も多いのですが、交通渋滞がひどくなり最近は水の確保よりも道路の確保の方が話題です。コロナによるリモートワークが解除されたとき、交通渋滞は益々ひどくなると思っています。

髙橋さんそういえば、ランチも並ぶようになってしまったので、最近はお弁当に切り替えました。

ロゼルさん人口増加のため、学校も分校が出来ています。

髙橋さん日本から3年半前に来ましたが、少子化が進む日本に住んでいた私にとって、こうして人口が増えて住宅などが建っていく様子は異様というか、新鮮な感覚で見ています。

 

不動産価格の高騰

ロゼルさん不動産価格の高騰も著しく、28年アメリカに住んでいますがこの高騰ぶりは初めての経験です。2016年に購入した家の価格は倍以上で、市場に出せば3日で売れると言われていて、毎日のように「キャッシュで購入したい」と電話が掛かってきます。建築ラッシュですが間に合わず、古い家を買ってリノベーションしている状況ですが、今は裏庭にプールを作るために3年待ちで、費用は4年前の4倍で驚いています。カリフォルニアからの人たちが家をキャッシュで買っていくようです。

 

 コロナが後押ししたカリフォルニアからの人口流入

ロゼルさんカリフォルニアから移住してきた人たちは、コロナがきっかけだった人が多いと聞いています。先日オンライン診療を受けたときのお医者さんもカリフォルニア在住とのことでしたが、サプライズ市に住宅物件を見に来ると言っていました。

髙橋さんカリフォルニアは所得水準も高めですし、移動された人にとって、こちらの土地は手頃に感じるんでしょうね。物価の高いカリフォルニアに住む必要が無くなっているかもしれません。

 

アリゾナにあったら嬉しいもの

ロゼルさん日本への直行便ですね。今は特にコロナで各地の日本への直行便が減便されているので、出張の為の日本行きのフライトを確保するのが難しいです。そういった背景もあると思うのですが、本格的な日本食はなかなか食べられないですね。

豊原さんそんな中、最近くら寿司が2店舗オープンしたのはビッグニュースでしたね。

ロゼルさんオープニングは3時間待ちでした(笑)並んでいたのは殆どアメリカ人で、日本のアニメTシャツを着た人たちが沢山並んでいて、アニメをきっかけに日本ファンになったアメリカ人たちが並んでいたという印象です。今ではアメリカ人にとっても、日本のアニメが日常の娯楽になっているようです。アリゾナ州立大学にも400名ほど日本語を学ぶ学生が居ると聞いています。

髙橋さんアジア系スーパーは増えていますが、サプライズ近辺にはないですね。食べ物の話ばかりですが(笑)

ロゼルさん食べ物、大事です(笑)食べ物だけでなく、誰かがロサンゼルスに行くタイミングで、化粧水などの生活用品を買ってきてもらえるようお願いしたりしている状況です。

 

アリゾナの人々の人柄

ロゼルさん私はアリゾナに来る前は中西部のウィスコンシンに居たので強く感じたのですが、移民の方が多く、その為か外国人を受け入れるのもナチュラルで、オープンだと感じました。

髙橋さんそれはすごく感じますね。英語が母国語ではない人とのコミュニケーションに慣れていて、とても寛容です。日本語が話せるローカル人材の採用も増えています。

ロゼルさん弊社では今の時点で人材募集はしていないのですが、つい先日もインタビューだけでもということで、日本語が話せる方の面接の問い合わせが来ています。

髙橋さんありがたいことですね。

 

———カリフォルニア州の物価上昇とコロナによるリモートワークの普及により同州からアリゾナ州への人口流入は拍車が掛かっており、またその他の州からもビジネス拠点をアリゾナへ移転する企業が多く、益々人口が増加傾向にあるようです。道路や住宅をはじめとしたインフラの供給が追い付いていない様子も垣間見られますが、皆さんのお話からはアリゾナ州の勢いを感じました。アリゾナの人たちの人柄もあり、日本食が手に入りにくいという不便さがありつつも日本人にとっても概ね快く生活できそうです。リアルな体感をお話頂いたアイリスUSAの皆様、どうもありがとうございました。

《企業概況ニュース》2022年3月号掲載

 

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