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《ACTUS CONSULTING GROUP, INC. 》

労使関係は、企業=個人事業主の時代
《ACTUS CONSULTING GROUP, INC. 》

20年の気持ちを胸に、さらなる飛躍へ

ACTUS CONSULTING GROUP, INC.
社長 鈴木 剛央 さん
http://www.actus-usa.com

 20年前の2002年8月、9・11の爪痕が色濃く残るマンハッタンで、アクタス・コンサルティングは設立された。旅行業界にいた鈴木さんが新しいチャレンジの場として選んだのは〝人材業界〟。SARSや鳥インフルエンザ、テロなどの社会的外部要因から影響を受けにくく、何よりもビジネスチャンスが期待できる未来に大きな魅力を感じた。

 〝人〟を扱うビジネスをするにあたり、21世紀の人と企業の関係性について考えた。それまで日本企業が大切にしていた雇用主と被雇用者間の上下関係のある労使関係は、今後も成り立つのだろうか──鈴木さんの考えはNOだった。21世紀は〝個人事業主〟の時代となり、企業と個人事業主が平等の立場で繋がっていくことが重要になるという。今回のパンデミックはその傾向を一気に加速させ、採用というカードをチラつかせて優位性を保つ企業は淘汰され、今後生き残ることは難しくなると鈴木さんは分析する。

 当然、アクタスもその方針に基づいた様々なルールを導入している。時代に先駆け、6年前からリモートワークを導入し、有給休暇制度の完全撤廃も実施した。リモートワーク導入で、支店周辺エリアから人材を探す必要もなくなり、これまで縁のなかったエリアの人材でも戦力として採用できるようになった。「重視すべきは結果であり、就業時間や有給休暇で個人管理することに意味はなく、目指す目標を達成するにはどうすべきかを各個人が真剣に考えるようになりました。一緒に働くチーム事情はありますが、有給休暇は取りたい分だけ取れば良く、極端な話、年間100日間有給休暇を取っても最終的に期待した結果を出せれば問題ないのです」。

 採用側は、これまでの労使関係に対する考え方を捨て、対象業務を安心して任せられる個人事業主を選ぶ感覚が求められている。もちろん、それをコーポレートカルチャーに埋め込んでいく作業が一番大変なのだが、そこをやらないといけないのは明白であり、優秀な個人事業主たちにいかに選んでもらい、リテインできるような価値観やカルチャーを持つ組織に変えていくか。これがこれからの人材採用のトレンドになると鈴木さんは説明する。

 これまでの20年を振り返ると、大変な局面はいくつもあった。特に、東京、ロサンゼルスと新しい支店を増やしビジネス成長を加速させようと考えていた矢先、リーマンショックに見舞われ、投資の回収目処も立たないまま撤退を余儀なくされた時は、さすがに焦燥感を覚えた。それでも柔軟な視点を持ち、〝時代よりほんの少しだけ先を走っている会社でありたい〟といつも考えているのだという。

 「ビジネスを大きくするにはスピードの追求は欠かせませんが、顧客の求めるものを最善な形で提供する─この部分は、どんなに時代が変わっても守っていきたい。例えば、私たちは、人材をご紹介する際、『履歴書だけ送るので、選んでください』〟ではなく、その候補者の強みやキャリアのハイライト、募集ポジションに対する適応性を、担当リクルーターが様々な角度から丁寧に分析した評価シートを一緒にお送りします。また、目まぐるしく変化する人事労務関連の最新情報も、無料のウェビナーという形で提供し、スピードだけを追求するのであれば無駄な動きと捉えられがちな部分にも、時間をかけることを惜しまないようにしています。今後も、人材事業と相性の良い機械学習やAIといった最新HRテックも積極的に導入し、強みである+αのパーソナルタッチを活かしたサービスを提供していきたいのです」。

 〝TAKE ACTION WITH US〟─9・11の時に街に溢れた、みんなで頑張ってアクションを起こしていこうという雰囲気にインスパイアされ、アクションの〝ACT〟と私たちの〝US〟、そこにアメリカの〝US〟を掛け合わせた「ACTUS」を社名にした。日本から進出して何か自分達の商品を売りたい、進出して現地法人を立てたい、働く人材を見つけたい、人事・労務のルールブックを作りたい──こうした全てのフェーズにおいて、アメリカで共に行動を起こしながら頑張っていこうという想いを込めた。

 「20年が経ち、アクタスを支えて下さった社員一人ひとりや顧客の皆様に対する感謝の大きさを噛み締めています。仕事を通じて出会った、様々な業界の優れた経営者や採用担当者の方々から得た学びも数知れません。ここから、さらに不透明な時代に突入していきますが、この節目に、こうした人々への感謝の気持ちを伝え、さらに前へと突き進んでいきたいと思っています」と、鈴木さんは話を締めくくった。

《企業概況ニュース》2022年9月号掲載

 

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