Yamato Transport U.S.A.,Inc.
General Counsel,Director & Sr.Vice President
スコット・サンドバル氏 Mr. Scot G. Sandoval
ロサンゼルスの法律事務所でキャリアをスタートし、企業訴訟弁護士として銀行、保険、エンターテインメント、製造、海運など、米国でビジネスを行う外国企業の代理人を勤める。2016年より、ヤマトホールディングス(東京)に採用され、米国本社Yamato Transport U.S.A.に入社。 米国ヤマトのゼネラルカウンセル兼上級副社長として、規制遵守、総務、人事部門を監督する法務業務を担当する一方、社長や取締役会にも助言を行い、取締役会のメンバーも兼務。
Pasona N A, Inc.
President & COO.
古代 賢司 氏 Mr. Kenji Furushiro
MBA取得後、パソナグループの米国法人パソナN Aに入社。営業、人事開発部マネージャーを経て、2013年に代表取締役に就任。人材サービスの提供に限らず、全米各拠点にて最新のトレンドを踏まえた多様な内容のセミナーも開催。また地域貢献として、日系企業ネットワーキング会の開催や進出企業への基礎情報提供などを積極的に行っている。全米10拠点をベースに、日系企業のグローバル人事戦略を総合的に、また迅速に支援できるよう奮闘中。
パンデミックの影響により、経済や世界情勢、人々の働き方、暮らし方が変化していく中で企業はどう生き抜くべきなのか? 米国パソナ社長・古代賢司さんが、様々な業界のエグゼクティブと対談し、日系企業の今、そして未来について深堀りしていく人気のウェビナーシリーズ。第12回目の今回は、ゲストスピーカーに Yamato Transport U.S.A., Inc (以降、米国ヤマト運輸)のGeneral Counsel, Director & Sr. Vice President スコット・サンドバル氏を迎えて、様々な角度から切り込んでお話をして頂いたその一部を紙面でご紹介していきます。
古代さん スコットさんは米国ヤマト運輸初の顧問弁護士(法務顧問)という認識ですが、就任された2016年から変わったことはありましたか?アメリカと日本では、経営や社員研修のプロセスなど違いはありますか?
スコットさん はい、私は米国ヤマトで初めて法務の顧問を担当しました。法務コンプライアンスを監督し、HRも含めて私が確立していきました。もちろん、日本とアメリカとの文化の違いがありました。まず着手したことは従業員ハンドブックです。多くの日系企業の従業員ハンドブックは日本様式であり、欧米の企業文化環境ではうまく機能せず、成長、拡大、必要な人材の採用、維持がうまくいかないことがわかっていたからです。アメリカでは通用しないものでした。社員研修に関しても、映画のようなオリエンテーションビデオを作り、採用に関わる担当者やミドルクラスのマネージャーに見せたり、ペーパーワークにかける時間を省くようにデジタル化しました。そして、コミュニケーションをとるために定期的に従業員と、マネージャーやエグゼクティブクラスでワークショップを行っています。アメリカや、カナダの現地採用、日本からの駐在の間であっても違いを理解しあい、しっかりした関係性が築かれています。
古代さん パンデミックにより働き方とライフスタイルが変わり、企業もその打撃を受け人手不足が社会問題になっていますが、米国ヤマト運輸にも何か影響や変化はありましたか?
スコットさん リモートワークが開始された当初は悪いことが起きそうだ。と懸念していましたが、その答えは正反対でした。リモートワークというハイブリッドなワークスタイルを採用したことで、コミュニケーションが向上したのです。COVIDを通じて、あるいはそのおかげで、起業家精神のようなものが復活してきていると思います。つまりは、ギグ・エコノミーが成長しているのです。自分のためにもっと柔軟性をもって仕事をして、友人や家族とより多くの時間を費やしたい人が増えたと思っています。今後私たちは、従業員の意欲を維持すること、そしてコミュニケーションと満足感、従業員が私たちと働く目的意識を持てるようにすることが必要です。私たちはそれを実現しようとしています。
古代さん 従業員を惹きつけ、継続的に働いてもらうために、企業や採用ブランディングに投資する企業の数が増加しています。ここで、採用ブランディングの取り組みについて参加されている皆さんにも伺ってみましょう。
古代さん 企業や採用のブランディングが必要だと感じつつも、実際にその方法がわからないという人が多いようです。スコットさんはどのように企業をブランド化していますか?
スコットさん 私たちは現実とデジタルという二つの世界に住んでいます。多分、現実の世界で企業ブランディングや、マーケティングをさせるのは難しいかもしれませんが、デジタルの世界ではそれがより簡単であり、さらに成功することがわかっています。私たちは、自社の従業員を起用する方がより本物らしく、より純粋にブランディングできることがわかりました。そして、既存の顧客や従業員だけでなく、未来の顧客や、従業員にヤマト運輸が何者なのかを伝える必要があります。人々がロジスティクス、輸送、配送について考える時、最初は男性の仕事だとイメージすると思いますが、必ずしもそうではないということを世界に伝えることが重要だと思います。米国ヤマト運輸は半数以上が女性社員です。デジタルの世界なら、女性が物流業界で働いているということも世界中へ簡単にアピールできるのです。
古代さん 本日は沢山のお話をお伺いでき学ばせていただきました。アドバイスをありがとうございました。
対談のフルバージョンはPasona VHRBPサイトにてご覧いただけます。*視聴には登録が必要です
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*次回のエグゼクティブ対談はIRIS USA,Incプレジデントの高橋博之様と11月10日(木)に開催予定です。
詳細は米国パソナHPにてご確認ください。
☆エグゼクティブ対談シリーズ
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