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《ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ》

連載⑧ 過去を振り返り、未来へ活かすサンセット
《ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ》

 いよいよ「ワンチーム編」の最終回です。

 ケンブリッジでは、プロジェクトの節目や終了後に、うまくいったこと、そうでないことなどを振り返るために「Sunset Review/サンセット・ミーティング(以下、サンセット)」を実施します。

1. サンセットとは何か、なぜやるか

 サンセットは「過去を振り返り、未来へ活かすための議論をする場」で、チーム・個人のパフォーマンスを改善することを目的とします。チーム・個人のゴールを確認し、なぜ成功したのか、なぜ失敗したのか、今後どうすればより成功できるのか、を関係者全員(最大7ー8名)で振り返ります。プロジェクトの節目や終了後のみだと数ヶ月経過してしまうため、ケンブリッジでは4週間程度のサイクルで中間サンセットも行ないます。

 また、サンセットは「既に伝えた、または伝え忘れていたチーム・個人の良い所・改善できる所をフィードバックする場」です。日々の振り返りは、サンセットを待たず毎日しましょう。会議の終わりに毎回振り返りの時間を持ち、良い所・改善できる所を即時フィードバックするのがオススメです。これによりチーム・個人の成長速度が早くなり、より良いパフォーマンスをあげることができます。

2. サンセットの進め方

まず、各メンバーが以下の(1)〜(3)を事前に準備して、サンセットの場で発表します。

(1) 個人の良かった点、反省点

いわゆる自己評価です。チームのゴールや個人の目標に照らし合わせて、良かったことも、ダメだったことも、素直に言うことが大切です。自分が誇れることをきちんと表明し、周りから感謝される、というサイクルが生まれると、サンセットの場もチームの雰囲気もグッとよくなります

(2) チーム全体の良かった点、改善点

チームに対する印象をざっくばらんに表明します。自己評価同様、チームのゴールに照らし合わせて、チームとして良かったこと、改善すべき点などを挙げます。

(3) 他メンバーの良かった点、改善してほしい点

サンセットでは、フィードバックを参加者間で相互に行います。「関係を気にせずオープンに、かつ、贈り物のように」が鉄則です。相手がフィードバックの内容に実感を持てるように、具体的なエピソードを添えましょう。

参加者の人数が多い場合は、時間を短縮できるよう、あらかじめマトリクス形式でフィードバックを書きあうのも良いでしょう。 各メンバーが(1)〜(3)を発表し終えたら、発表内容の中から、チームの結束を固めるための具体的なアクションを決めるための論点を選びます。3つ程度、特にチームに影響を及ぼしそうな論点を選び、チームとして明日から工夫することなどを決めます。

選んだ論点を「Start、Stop、Continue」のフレームワークに照らし合わせて分析するのもオススメです。「Start」は新しく始めるべき行動、「Stop」は効果的でないのでやめるべき行動、「Continue」は効果的なので続けるべき行動、を表します。話し合った結果を第五回の連載記事で紹介した「グラウンドルール」に反映するのも良いでしょう。

さて、第5回から第8回の「ワンチーム編」では組織が変わるコツをお伝えしてきました。次回からの「抵抗勢力編」では、会社が変わるコツを紹介していきます。

 

《執筆》
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ
ティンダル 玲子 さん

2020年ケンブリッジ米国法人入社。コンサルタントとして大手製造業のERP導入、グローバルロールイン/アウトに従事。SAP FI(財務会計)認定コンサルタント。米国・ドイツ・日本でプロジェクトを経験。在米歴8年(大学、大学院、ケンブリッジ米国法人)。米国人の夫・娘・猫と暮らすワーキングマザー。

ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズは在米日系企業の業務改革、IT戦略立案、DXに必要なコンサルティングサービスを提供しています。あらゆる変革の立ち上げから導入までを円滑に進める方法論とバイリンガルファシリテーションを武器にプロジェクトを成功に導きます。日本では7年連続「働きがいのある会社」Top 10に選出されています。

http://www.ctp.com

《企業概況ニュース》2022年7月号掲載

 

《連載》会社を変える!明日から使えるファシリテーション術
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