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《鳩山総合研究所 編》

米国パソナ主催ウェビナー・エグゼクティブ対談シリーズ
《鳩山総合研究所 編》

鳩山総合研究所
代表取締役
鳩山 玲人 Mr. Ray Rehito Hatoyama

コンテンツ・メディア/コンシューマーブランド/テクノロジー/ガバナンス分野のエキスパート。三菱商事に入社。エイベックスやローソン等でメディア・コンテンツビジネスに従事。ハーバードビジネススクールでMBAを取得後、サンリオにて、経営戦略・海外事業・映画・メディア・IT等新規事業を担当し、ハローキティのグローバル化に貢献したのち独立。現在はシリコンバレーでは、VC投資を行うSozo VenturesのVenture Partner、カウフマンフェローズ、コンサルティングを行う鳩山総合研究所所長、「Human Made」ブランドを展開するオツモのCSOとして活動。Zホールディングス、LINE、ピジョン、トランスコスモス、DeNAの社外取締役を歴任。UUUMアドバイザー。著書に『シリコンバレーで結果を出す人は何を勉強しているのか』(幻冬舎)、『世界の壁は高くない』(廣済堂出版)、『ブロックバスター戦略』(監訳・解説/東洋経済新報社)、『桁外れの結果を出す人は、人が見ていないところで何をしているのか』(幻冬舎)。パロアルト在住。

Pasona N A, Inc.
President & COO
古代 賢司 Mr. Kenji Furushiro

MBA取得後、パソナグループの米国法人パソナN Aに入社。営業、人事開発部マネージャーを経て、2013年に代表取締役に就任。人材サービスの提供に限らず、全米各拠点にて最新のトレンドを踏まえた多様な内容のセミナーも開催。また地域貢献として、日系企業ネットワーキング会の開催や進出企業への基礎情報提供などを積極的に行っている。全米10拠点をベースに、日系企業のグローバル人事戦略を総合的に、また迅速に支援できるよう奮闘中。

6社の社外取締役を務めた現役社外取締役が語る、
組織における社外取締役の本当の役割

米国パソナのプレジデント・古代賢司氏が、様々な業界のエグゼクティブと対談し、日系企業の今、そして未来について深堀りしていく人気のウェビナーシリーズ。第17回目の今回は 鳩山総合研究所(以降、鳩山総研)の所長であり、Sozo VenturesにてVenture Partnerとしても活躍をする鳩山玲人氏をゲストに迎え、お送りしたその一部をご紹介していきます。


古代さん 様々な日系・米系企業に関わられてきた中で、取締役会における日本と他国の違い、また、最初に携わられた当時と現在を比較して、その進化や違いをお話しいただけますか。

鳩山さん サンリオの取締役就任時からシリコンバレーに住んでいたせいか、周りのアメリカ人から話を聞くと全く違いました。アメリカでは年4回ほどの取締役会が、日本では月に1回、株主総会も合わせると少なくとも15回、多い会社では20数回あり、海外では社内より社外取締役の方が多いのに対し、10年前の日本では、上場企業でも社外は1社に1人もいないくらいの時期で、ガバナンスという言葉もなく、経営会議や社内会議の延長線上が取締役会の状態でした。一方、海外ではその頃から、株主代表として選任された人たちが経営のDecision Makingをする取締役会の形がすでにあり、経営の進化を感じるとともに、その対比はすごく意識していましたね。

例えばディズニーは当時、スティーブ・ジョブズをはじめ、名だたるSNS系、証券系、コンシューマー系企業のボードや経営者が、同社のボードとして経営に関わっているこのダイナミクス。進化しますよね。ディズニーのコンテンツというより、そのガバナンスや経営判断をする取締役会の構成のインパクトを感じましたし、これが取締役会の構成員、ガバナンスの改革に繋がるというのは、今語られているESGやガバナンス改革の前から、意識していました。

古代さん 社外取締役は、社内の利害関係にとらわれず任務を遂行できる一方で、現場がわからないというリスクもあると思いますが、社外取締役の価値として心がけている事はありますか?

鳩山さん 基本的なガバナンス、あるいは社外取締役の役割として重要なのは、ルールに基づいて会社が回っているかを確認することだと思います。ガイドラインに沿った、すごく普通なことを普通に言って普通にしてもらうことが基本にあるので、ドライビングテストで基本動作を横にいて確認する技能試験官に、ガバナンスはとても近いです。運転のテクニックを教えるのは運転を一緒にする「執行」になりますが、助手席にいて、ちゃんと運転しているかを確認することがガバナンスでは重要です。更に車外から見ることも大切です。入りすぎると外が見えなくなるので、アメリカが推奨する取締役のスタイルは3か月に一度。三か月後、車が移動していた場合、社外取締役はどんな移動をしたのか移動の仕方のデータを見ますが、一緒に運転していると、移動が何とも感じられなくなってしまいます。 横にいるから見える、俯瞰で見ているから指摘できることを言うのが社外取締役なので、会社のことがわからなくても、周りで起きていることや全体で見たときに車がどの位置にいるのかを見失わず、周りから見るとこう見えるということを伝えていく。中身を知っていることは重要ですが、そうではないケイパビリティをより求められるのが、社外取締役だと思います。

古代さん CEO指名委員会において、どのようなアプローチを社外取締役は取るべきでしょうか?

鳩山さん 指名委員会の一番の役割はCEOの選解任、それに続く部分がSuccession Planです。取締役会全体で、社内人財の議論だけでなく、社外人財も含めたスキルマトリックスを作り、人財とそのケイパビリティを把握し、一番角度の高い意思決定ができる構成を指名委員会で考えます。報酬委員会ではその評価(権限範囲によっては解任)と報奨を行うので、見られる緊張感のようなものも出てきます。権限の有無はあるものの、日本の企業でそれを置くと、社長が次期社長を指名することがなくなり、現社長が評価されなかったりするケースも出てきて、置くだけでもダイナミクスが変わるので十分意味があると思います。

大きな変化よりも中長期的な会社の方向性に沿ってSuccession Planを作るので、候補生が社長になる前の準備環境が整っていきます。グローバル企業になると、国内や一事業の出身者が社長になる、成功部署の人が社長になるケースが多いですが、外部からすると複数部署または海外経験者のほうが社長に適正になったりします。Succession Planを作るうえで、該当人財がいなければそのキャリアを作る必要があり、次世代の人は複数部署を経験する仕組みに変わるなど変化が生まれます。ポリティクスで事業部間の異動ができない、異動で評価が下がるなどの構造だと人財が揃わないので、指名委員会などを入れると、出世ルートが変わったり、あるいは社内でのキャリア形成方法が変わってくるのでダイナミクスの違いは大きく出ると思います。

古代さん ありがとうございます。可視化することによって、経営体制、人財作り、組織作りにも波及していくという効果があるということですね。

 

対談のフルバージョンはPasona VHRBPサイトにてご覧いただけます。
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☆エグゼクティブ対談シリーズ
https://www.pasona.com/executive-search/executive-dialog/

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