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スバル | 中村知美 会長兼CEO インタビュー

スバル | 中村知美 会長兼CEO インタビュー

スバル・オブ・アメリカ
インディアナ工場での生産を40万台へ

潮目の判断を敏感に察知し、判断の軸をぶれさせない

中村知美氏 会長兼CEO

                          企業概況ニュース 2016年新年特別号掲載

昨年11月末、米国新車販売台数52万6401台と、7年連続で米国新車販売記録の更新を果たしたスバル・オブ・アメリカ(SOA)。主力車種のフォレスター、アウトバック、XVクロストレックの3車種で37万台を売り上げ、この快進撃に自動車関係者だけでなく様々な業界や企業が注目している。今年、米国での生産体制を加速させることも発表しており、インディアナ生産工場(SIA)に5億ドルを投資、日本で生産してきたインプレッサを2016年からアメリカ生産に切り替え、さらにトライベッカ後継車の新型SUVを2018年から米国生産するなど、新施策を矢継ぎ早に打ち出している。この上昇気流に乗るSOAを率いる中村知美会長兼CEOに、今後の動きについて伺った。

 

厳しい、米国市場の供給状況

グローバル全体で見れば、順調なのはアメリカ、カナダ、オーストラリアの3地区。世界各エリアのマーケット状況は異なるが、アメリカはグローバル全体で見ても一番堅調で、自動車業界全体にとって非常に重要な位置付けとなっている。富士重工としても最大のマーケットであることは間違いなく、グローバルでの売上げ全体の約3分の2を、アメリカ・カナダで生み出されている。

「これからは60万台という数字を超えていくことになりますが、この急速な成長に対して弊社の生産能力が追いつかず、お客様やディーラーさんにご迷惑をおかけしているというのが現状です。在庫もなく、ご注文を頂いてから数週間お待ちいただく。この異常な状態を打開するため、現在、必至に取り組んでいます」。

アメリカ生産を加速、40万台へ

現在は、日本からの輸入が6割、スバル・オブ・インディアナ・オートモーティブ(SIA)での生産が4割という比率。インディアナ工場にある2ラインでは、スバルおよびトヨタのカムリが生産されてきたが、2016年にはカムリ生産ラインをスバル用に転換し、両ラインでスバルの生産を進めていく。

「段階的ではありますが、これまでの20万台が40万台となり、生産能力を飛躍的に上げることができます。そうなれば、お客様やディーラーさんにご迷惑をかけることも減るのですが、この『あと1年』が一番厳しい時期です。アメリカでは生活必需品である車が、自然災害や事故で壊れ、代わりの車を購入しに来たのに車がない。こんな理由で、何台もスバルを乗り継いで頂いたロイヤル・カスタマーがスバルから離れてしまうのは、身を裂かれるほど辛いのです」。

サンベルト地域での伸び率が拡大

「全米どのエリアを取っても売上は伸びています。ただ、伸び率だけで言えば『サンベルト地域』での売上が好調です」。四輪駆動という特徴もあり、北のエリアで乗る車というイメージが付きやすいが、同社では、7年前からサンベルトでのシェア拡大に向けた様々な販売施策を打ち出してきた。

「『スバル』は、まだまだ知名度の低いブランドです。知名度を上げ保有台数を増やしていかなければ、代替えの母体も生まれない。北部のように保有台数が多いエリアは、サービス工場も繁盛し、設備への再投資も可能です。南部にも、この流れを作り出す必要性を常に感じています。保有台数は歴史ですので、少しずつ、じっくりと」。

CSの向上が、SOAの最重要課題

ここ数年のスバルの急成長を支えるのが、他のブランドからスバルへと乗り換えを決めた人たち。「初めてスバルを体験する人たちが、ものすごい勢いで増えているのです。これまで長い間20万台以下を低迷してきたこともあり、米国のスバル・ディーラーによるサポート体制は未熟な部分が多いのです。このカスタマー・サティスファクション(CS)向上のための動きが直近の課題ですね」。

「ここまで来たのですから、もちろん皆さんにロイヤル・カスタマーになっていただきたい。お客様の接遇改善には、少し時間がかかりますが、駐車場やカスタマー・ラウンジの品質改善、オイル交換サービスの待ち時間対策などは、キャパシティの問題ですので、ものすごい勢いでリニューアル支援やコンサルテーションを進めているところです」。

3つの管理部門をカムデンに集約

2015年12月、ニュージャージー州カムデンにある米国新本社の起工式が執り行われた。チェリーヒル現本社から西に6キロほどのキャンベル・スープ本社前のスペースに、2017年中に完成する。これを機に、同エリアに分散する営業、マーケティング、サービスの管理部門を集約し新たな中核拠点を築いていく。進行中のカムデン市再開発計画も追い風となり、エリアと一体になってさらなる飛躍に拍車をかける。

潮目の変化を敏感に察知する

「スバルは、短期間で驚くほど急速に成長しました。これまでずっと国内営業を見てきて、今は縁あってSOAの指揮を執っていますが、これほど連続した成長を今までに経験したことがなく、俄かには信じられません。株価同様、必ず踊り場を挟んで上下するものと信じていますので、この状況下での私の役割は、現在の販売台数をキープしつつ、潮目の変化を適確にウォッチすることです。スバルに対するお客様やディーラーの声に敏感に反応し、察知する姿勢を崩さぬよう心がけています」。

判断の軸は決してブレさせない

モノづくりに憧れ、将来的には世界で勝負がしたいと富士重工に入社した。財務、人事、経営企画、国内営業、販売会社、セールスと、営業畑を歩み続けて33年、これが15箇所目の仕事場となる。「前任者と私と、2代続けて海外営業 出身者ではありません。こうした変わった経歴が、現地のアメリカ人にも良い刺激になっていると思います」。

「保有台数」は「財産」です。ここをしっかりと守ることができれば、恐れることはありません。この国では必ず車を乗り換えますし、人口も安定している。永遠に良い時は続かないはずですので、どんな時も『判断軸』をぶれさせずにやっていきたいですね。細かいことはいいのです。コンセプトをしっかり抑えていれば、多少の景気の波や車種の当たり外れも乗り越え、安定した成長を続けられるということを、今ここで実感しているところです」。

スバル | 中村知美 会長兼CEO インタビュー

スバル・オブ・アメリカ(SOA)公式サイト www.subaru.com

 

写真キャプション:

中村知美会長とトーマス J. ドール社長