Home > Featured > 野菜の呼吸をコントロールする 保存用バッグの効果を SNSで発信
SUMITOMO BAKELITE NORTH AMERICA, INC
New Business Development Manager 原田 直幸 さん           https://www.sbhpp.com

 〝銀座千疋屋の高級バナナ〟は有名だが、〝銀座千疋屋の高級バナナの鮮度を保つ包装袋を作っている会社〟を知っている人はあまりいないだろう。

 住友ベークライトの駐在員としてミシガン州で暮らす原田さんは、最近インスタグラムを使って新たな試みを開始した。自社の青果物専用保存バッグ「P─プラス」に、スーパーで購入した野菜や果物を保存し、どのくらい長持ちするか実験した結果を投稿したり、モニターを募り製品を使用した感想をシェアしてもらったりしている。

 きっかけとなったのは、コロナウィルスの感染拡大によるステイホーム。「できるだけ外出を控えるため、食料品の買い出し回数を減らしたい。そのためには野菜や果物がもっと長持ちすればいい。鮮度保持効果の高いP─プラスは、自粛生活中の人たちを安全面で支え、フードロス削減といった社会貢献もできると考えました」と原田さんは話す。P─プラスを使ってもらい良さを知ってもらうことが会社の長期的な知名度向上と感染拡大下での短期的な社会貢献にも繋がると、会社から承諾が得られ、インスタグラムのアカウントを立ち上げた。原田さん自身は同製品とは関連のない部署であるが、日本の担当者たちの協力を得ながら、その効果や生の声を発信している。

 原田さんが紹介しているのは家庭用の野菜専用保存バッグであるが、P─プラスの売り上げの99%は業務用の青果物鮮度保持フィルムであり、日本国内ではトップシェアを誇る。カット野菜では約8割、枝豆は6割以上、その他多くの野菜や果物に同社のフィルムが採用されている。千疋屋のバナナもその一例だ。鮮度保持の秘密はフィルムに施された特殊加工。目に見えない小さな孔が包装内部を低酸素・高二酸化炭素状態に維持し、野菜を冬眠状態にすること で劣化を防ぐ。呼吸量、内容量、流通時の気候条件等から、鮮度を保つために最適な微孔の大きさと数を割り出し、カスタマイズされた包装フィルムを提供している。家庭用では、最大公約数の孔加工を施し、3サイズを展開。耐久性にも優れ、洗って繰り返し使える。傷んで捨ててしまう野菜が減り、食費の節約にも一役買っている。

 このP─プラスを製造する住友ベークライトは、日本で初めてプラスチック製品の製造を行った会社である。ベークライトとは、世界初の人工的なプラスチック素材であるフェノール樹脂の商品名。現在では半導体関連材料、自動車用パーツ等向けの高機能プラスチック、医療用PTP包装や鮮度保持フィルム等のクオリティオブライフ製品の3つのセグメントで事業を展開している。原田さんが所属するのはタイヤ、ブレーキなどに使用されるフェノール樹脂を製造する高機能プラスチックのセグメントである。

 P─プラスの北米アカウントは9月末に最初の投稿がされたばかりだが、米国在住の日本人インフルエンサーに取り上げられたこともあり、最近ではモニターの応募が一週間に50件を超える。『フォロワーになり、インスタグラムで使用した感想を投稿すること』を条件に、S・M・Lサイズが1枚ずつ入った商品を全米へ無料で発送。ただ、現在のところ米国内での販売を行っておらず、発売予定もないが、利用者からの声が大きくなれば、日本本社が動く可能性も出てくるかもしれない。興味のある人は#pplusmanで検索を。

  《企業概況ニュース》2020年 12月号掲載
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