Home > Featured > 世界で認められる グローバルエアラインへ
全日本空輸株式会社(ANA)

世界で認められる グローバルエアラインへ
全日本空輸株式会社(ANA)

めるものをんじて導入

 世界の空で快適空間を提供し続ける全日本空輸株式会社(以降ANA)。北米では現在11の空港でオペレーションを行ない、その安全性やサービスに対しては高い評価が寄せられている。昨年4月より米州室長兼ニューヨーク支店長に着任した服部さんが、自らの最大のミッションとして掲げるのが、北米でのANAブランド認知度向上。この目標達成に向けたANAの動きについて、服部さんにお話を伺った。

ハワイの空を彩るANAフライング・ホヌ

 2019年、ANAは大きな2つのチャレンジに乗り出した。その1つが、超大型機『エアバス380』のホノルル就航だ。年間1,000万人もの旅行者が訪れる超人気目的地ハワイに、通常の約2倍、520席あるエアバス380を投入した意義は大きい。「ハワイ原住民が神聖な生き物として大切にする『ホヌ(ハワイ語で海ガメ)』のイラストをラッピングした青・緑の2機体をすでに就航させています。今春、3機目となるオレンジの新機体が加わり、毎日3機が代わるがわるハワイの空を飛ぶようになります。日本人観光客にとっては既に成熟したマーケットに思えるかもしれませんが、そのニーズは常に変化しています。ファーストクラスからカウチシートまで展開できるのは超大型機だからこそであり、競合他社とのプロダクト差別化という意味で、非常に意義があるのです」と服部さんは力を込める。

世界最高レベルのくつろぎ空間を

 もう1つの大きなチャレンジが、新シート『ザ・スイート(THE Suite)』と『ザ・ルーム(THE Room)』の導入となる。世界的建築家である隈研吾さん総合監修のもと、イギリスのデザイン会社Acumenがデザインを担当。昨年8月のロンドン路線導入を皮切りに、11月にニューヨーク、今年はフランクフルトにも同シートを備えた機体を就航させる予定である。「これまでも個室タイプだったファーストクラスはデザインを一新し、ビジネスクラスにもドアを装着し空間のプライバシーを確保。また、シート幅もこれまでの2倍に広げました。大人二人が並んで座れるほどの広さで、『ザ・ルーム(THE Room)』という名の通り、自分の部屋にいるようにゆっくりと寛いで頂くコンセプトになっております」。

 現時点では、北米ではニューヨーク路線のみでの導入となるが、将来的には、長距離国際線主力機ボーイング777-300ER就航路線において順次置き換えが進められる。「ANAは、皆様に快適で最高な空の旅を楽しんで頂きたい。そのためにもマーケットが求めるものを先んじて導入するよう心がけています。増加する訪日観光客の中にも、ビジネスクラスを利用される方が少しずつ増えていることもあり、『非日系富裕層の方々のご利用』にもフォーカスしています。メインとなる日系・非日系双方の業務渡航利用のお客様はもちろん、こうした新しい層へアプローチするためにも、世界最高レベルのくつろぎ空間のご提供が不可欠なのです」。

 

グローバルエアライン『世界のANA』へ

 日本においては誰もが知る航空会社だが、非日系の潜在顧客における認知度はまだ低く、ANAのロゴだけでは日本の航空会社を想起させられない。そこで、『インスピレーション・オブ・ジャパン(Inspiration of Japan)』というタグラインを付けて日本を、そしてスターアライアンスのロゴで航空会社をイメージさせるなど、認知度向上に向けた様々な工夫が凝らされている。「新機種や新プロダクトの導入もその一環ではありますが、他に全米女子ゴルフ協会(LPGA)主催のメジャー大会『ANAインスピレーション』のタイトルスポンサーを務めたり、非日系ミレニアル層向けにデジタル広告キャンペーンを展開するなど、様々な形でブランド認知獲得の施策を進めています。世界で認められるグローバルエアラインになること───これが、その先にある、私たちのゴールなのです」。

 

*****

 20年前にロサンゼルス空港のマネージャーとして赴任したのを機に、フランクフルト支店長、昨年4月からの現職と海外駐在経験は今回で3回目、通算8年となる。グローバルエアラインという目標を目指すにあたり、豊富な海外経験は大きなプラスとなる。グローバル目線で見た時にどうなのか、自分たちのやっていることが本当に正しいのか───海外的視点や情報収集、発想、イノベーション力を持ち、能動的に判断していける人材を育成していくこと。これも在任中の重要な役割だと、服部さんは自らに言い聞かせる。

東京オリンピック、そしてポスト2020

 2020年、羽田空港の国際線増枠で事業が拡大することを前提に中期計画を推進してきたANA。安全面、品質向上、そして社内体制強化と一つずつ丁寧に取り組み、今年はその中期計画の仕上げの年となる。東京オリンピック、パラリンピックと大型イベントを控え、米国からの訪日旅行者拡大が期待されてはいるが、重要なのは『ポスト2020』をどう展開するか。

 「2020以降については、現在社内で話し合いを進めているところです。今後も成長を続けていくために浮かび上がるのが『成田』と言うキーワード。羽田空港の拡張がある程度の完成を迎え、これまで同様、首都圏空港デュアルハブ戦略を担う成田空港からのネットワーク再拡張がポスト2020の『鍵』となります。東京ダウンタウンに近く、日本国内の移動にも便利な羽田。一方で、国際線への接続が強く、第3滑走路の準備が進む成田は、東京を超えたその先───東南アジアを中心としたエリアへの人の流動という意味で、『更なる成長』を描ける領域なのです。ポスト2020のためには、今この準備期間がなくてはならない。息つく暇もないほどの忙しさですが、『世界の空でANAが更に羽ばたく未来』が、今から楽しみです」と、服部さんの目には確かな自信が映っていた。

エアバス380 『ANAフライング・ホヌ』。3色の機体が美しい。

ボーイング777-300ER 『ザ・ルーム(THE Room)』。世界最高レベルのくつろぎ空間。

ボーイング777-300ER 『ザ・ルーム(THE Room)』。仕切りを下ろせばさらに優雅な空の旅となる。

《企業概況ニュース》2020年2月号掲載

You may also like
社員のワクワク感から生まれる、新しい価値
《全日本空輸株式会社》
ニューヨーク─羽田線を増便、
週に合計10往復へ!《ANA》
強みの日系人市場に加えて
日本人・米人も日系企業へと繋ぐ
《TMS》
少数精鋭チームで、
日系企業のビジネス旅行をサポート
United Airlines アジア・パシフィック営業部チーム