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異文化で暮らす日本人にとって、 心の拠り所となるイベントを

セントラルオハイオ日米協会 (JASCO)                    www.jas-co.org
事務局長 / エグゼクティブ・ディレクター   Ph.D. ベンジャミン・パクター   氏 

 米国セントラルエリアに暮らす人たちに日米文化交流を深める──これがNPOセントラルオハイオ日米協会(通称JASCO:ジャスコ)の使命であり、1998年にオハイオ州立大学協力のもと発足して以来、22年間この目標に向けた活動を続けてきた。「これまでは、アメリカ人に向けた日本文化の発信が中心であったが、昨年夏に七夕祭りを企画した時に日本人が多く参加してくれ、異文化で暮らす日本人にとっても心の拠り所となるイベントを企画していこうと決めました」と事務局長のベンジャミンさんは言う。

 オハイオ州には300社以上の日系企業が存在し、特にホンダが拠点を構えるコロンバス・ダブリンエリアには5000名以上もの日本人が住むという。直接日本人と触れ合う機会のないアメリカ人にとっても、家族が日系企業に勤めていたり、日系企業の取引先があったりと、オハイオと日本の関係性は浅からぬものとなっている。「世代間での違いはありますが、日本への興味は年々高まっています。特に、今の若い世代はアニメ、マンガなど日本のポップカルチャーに触れる機会も多く、日本語プログラムを導入する高校や大学も増えています。こうした若い層と日本の未来を結びつける───これも我々の重要な役割のひとつだと考えています」。

 今年3月から全米で猛威をふるい始めたCOVID19は、ジャスコの活動にも変化をもたらした。オンラインイベントが増え、コロンバスから数時間離れたエリアに住む人との繋がりも生まれた。アフターコロナが訪れた時に、このコミュニティをどう維持し育てていくか。これが、現在のジャスコの課題となっている。「学生向け、ビジネスマン向け、一般向けといった3つのジャンルをバランスよく企画していきたい。そして、オンラインの良さを活かしながら、リアルでしか味わえない体験を提供していきたいのです」。

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 ベンジャミンさんがジャスコに加わったのは3年前。パーカッションを操る音楽家として大学のオーケストラで演奏活動に勤しんでいたが、ある時、日本人作曲家による曲を演奏した時に、和太鼓に出会い目覚めた。知れば知る ほど和太鼓の魅力に惹かれ、大学院では民俗音楽学を専攻、日本の歴史や文化を学んでは何度も日本に足を運んだ。和太鼓の研究でPhDを取得後は、教師の道ではなくノンプロフィットの活動に興味を持ち、ジャスコのポジションを見つけてコロンバスへと移り住んだ。

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    〝本物の祭をコロンバスに

 「夢は、コロンバスで〝本物の祭り〟を開くこと。日本文化の中心には祭りがあると感じています。もちろん第一の目的としては、セントラルエリアに住む日本人やアメリカ人に、日本文化を楽しむ場を提供したいという気持ちが強いのですが、僕自身がお祭りを楽しみたい。プライベートでは、ダブリンにある中高生和太鼓クラブの演奏指導をしており、いつの日か、祭りの舞台で彼らの生演奏をお聞かせできることを楽しみにしています」。

 どんな日本人よりも和太鼓に詳しく、お祭りを愛して止まないベンジャミンさんの、ジャスコ事務局長として、そして日本文化の伝道師としての今後の活躍が楽しみだ。

《企業概況ニュース》2020年 10月号掲載

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