Home > Featured > 【勝利の方程式】 コーチ・エイ 吉川剛史社長のトップ対談  

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2013年に赴任して1年強、アメリカ駐在は今回で3回目、通算14年目となる。この間、米州での事業投資に深く関わり、製造業や流通業など様々な分野で合弁会社や事業会社を立ち上げてきた。米州住友商事700名、米州住友商事グループ1 万6000名のトップとして指揮を執る竹内社長に、組織についての考えを伺った。

吉川 現在の米州住友商事のビジネスモデルについてお聞かせください。

竹内 従来の総合商社というイメージは、輸出入にマーケティングやファイナンス機能を追加した「トレード取引」ではないでしょうか。そうしたトレードのニーズは今でもありますが、現在は長年培ってきた商品・業界・地域の知見を活かしたビジネスの事業化、「事業投資」が活動の主流となっています。米州だけでも115の事業会社に投資を行っており、そこでグループ利益の9割を生み出しています。

吉川 今求められる商社マンの資質とは、どのようなものでしょうか。

竹内 密林の奥深く分け入って日本の製品を売りまくるといった「バイタリティ」が商社マンの代名詞となっていた時代がありました。今はそれに加え、相当レベルの専門知識が求められています。ビジネスをマネージし、買収案件も企画し推進していく、かなり深いエクスパティーズがないと務まりません。

そのため、従業員をできる限りアメリカ人が大半の事業会社などに送り込み、タフな状況下で仕事をさせる機会を作るようにしています。この経験が、今の時代を生き抜く人材を作ります。親会社から派遣されたからといって、簡単に受け入れてもらえる世界ではありません。「何をしにきたの」「腕を見せてごらん」と。そういう修羅場がヒトを大きく伸ばすと思っています。吉川 事業会社とシナジーを持ち、仕事をうまく進めるコツはあるのでしょうか。

竹内 5年後、10年後、自分たちはどうなっていたいのかという「ビッグ・ピクチャー」を描かせ、任せることが肝要だと思います。その前提で、各事業会社の役職員と良好な関係を構築することに気を配っています。これは言うは易く、一番チャレンジングであり、面白い部分ですね。

吉川 各組織で一体感を持たせるための方法は?

竹内 かなり意識して「face to face のコミュニケーション」を心がけています。どう伝えたら分かってくれるかと。そのために、定例の会議に加え、『CEOチャンネル』という社内イントラの一つのコーナーで、できるだけ私のビジョンや考えを発信するようにしています。また、これはニューヨークオフィスでしか実施できませんが、週に1度社員数人と順番に昼食を取るようにしています。リラックスした環境で、色々な文化・経歴を持ったヒトたちと意見を交わし、直接私の考えを伝えています。

吉川 コミュニケーションする際に気をつけている点はありますか?竹内 「指示するだけでなく、問いを投げかけ、各自に考えさせること」でしょうか。全員が同じ目線でものを考え、自由に意見を戦わせる。こうした雰囲気作りも私の重要な役割だと思っています。

私自身は「将来のビジョン」を示していく必要がありますが、その際あまり具体的すぎてもいけません。社員が具体的な目標に縛られて動くのではなく私の示した大きな方向性の中で自発的に考え行動する風土が企業の活力を生むと考えています。勿論疑問に思ったり同意出来ない時はとことん質問し意見を戦わせます。

吉川 ありがとうございました。

《コーチ・エィ USA》組織風土変革、次世代リーダー開発、駐在員・ナショナルスタッフ間の連携強化、買収後の早期シナジー実現のためのPMIなど、企業向け各種ソリューションをエグゼクティブコーチングと組織リサーチの手法を活用して提供している。
インタビュアー:吉川 剛史氏 早稲田大学法学部卒。NTTに入社、分社後はNTTコミュニケーションズにてM&A・提携を中心に海外新規事業展開、日本オラクル社執行役員に転職時、初めてエグゼクティブコーチングを受ける。その後自分でもコーチ資格を取得してビジネスに応用、UNIQLO海外事業開発室長を経て2010年より現職。
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