【カリフォルニア特集: INTERVIEW】
日本ＩＴ技術者のグローバル化を目指す
コスモ ITS, Inc.
バイスプレジデント 高津 真 氏
日本のIT業界では、グローバル化の遅れから産業が地盤沈下することへの危機感を持つ経営者が増えているという。この状況を変えるためにはグローバル人材の育成が急務と、日本にあるソフトウェア開発会社コスモ・コンピューティングがその旗振り役として立ち上がった。まずは、IT最先端の地にグローバル化のステージを築こうと５年前にカリフォルニア州トーランスに拠点開設、在米日系企業ソフトウェア開発の日本でのオフショア開発をスタートさせた。
「日米間のコミュニケーションが生まれることで入ってくる技術や知識は日本の技術者にとって大きな財産となります。また、アメリカにはバイリンガル技術者は少なく、何よりも単価が高いのがネックとなります。少し前まで中国やインドがオフショア先として選ばれていましたが、単価が上がり以前ほどのメリットはありません。また、ベトナムやマレーシアなどは体制が整っておらず、本当に信頼できる提携先がないと良い結果は見込めません。こうした状況下で、日本でのオフショア開発という選択肢は非常に魅力的なのです」。
その他にも日本の技術者グローバル推進プロジェクトの一つとして、コスモITSでは業界団体CSAJのエンジニアのための合同海外研修会なども企画する。「CSAJは、日本マイクロソフトやソフトバンクを含む多くのIT企業300社以上が加盟する業界団体です。各加盟企業が出資し、年に１回エンジニアをアメリカに送り８日間の短期集中セミナーを受ける場を作っています。実践英会話をはじめ、企業訪問やアジャイル式開発などの先端技術を身を持って学ぶ良い機会となっています」。
コスモITSで現地責任者を務める高津さん自身、長年アメリカでIT分野の経験を持つ。日本の技術者がグローバル舞台で活躍することをサポートするという大きな目標にむけて日々奮闘を続けている。
《企業概況ニュース 2018 年 8 月号 掲載》
