Home > US Living > CAREER > 米国パソナ主催ウェビナー・エグゼクティブ対談シリーズ
《POLA Inc. 編》

POLA Inc.
President
及川 美紀 氏 Ms. Miki Oikawa 

1969年生まれ。宮城県石巻市出身。91年東京女子大学文理学部英米文学科卒。ポーラ化粧品本舗(現ポーラ)に入社し、営業部に配属。埼玉エリアマネージャー、商品企画部長を経て、2012年に商品企画・宣伝担当執行役員に就任。14年には商品企画・宣伝・美容研究・デザイン研究担当取締役に就任し、20年1月から現職。ダイバーシティー&インクルージョンを経営戦略の一つに掲げ、さまざまな施策を打ち出す。

Pasona N A, Inc.
President & COO.
古代 賢司 Mr. Kenji Furushiro

MBA取得後、パソナグループの米国法人パソナN Aに入社。営業、人事開発部マネージャーを経て、2013年に代表取締役に就任。人材サービスの提供に限らず、全米各拠点にて最新のトレンドを踏まえた多様な内容のセミナーも開催。また地域貢献として、日系企業ネットワーキング会の開催や進出企業への基礎情報提供などを積極的に行っている。全米10拠点をベースに、日系企業のグローバル人事戦略を総合的に、また迅速に支援できるよう奮闘中。

日本では未だ大きな性差の壁、
組織にとっての真のDEIBを考える

 米国パソナのプレジデント・古代賢司氏が、様々な業界のエグゼクティブと対談し、日系企業の今、そして未来について深堀りしていく人気のウェビナーシリーズ。第20回目の今回はPOLA Inc.のプレジデント及川美紀氏をゲストにお迎えしました。その対談の一部をご紹介していきます。


 

古代さん アメリカでは、ダイバーシティ&インクルージョン(以下D&I)やLGBTQというと、性差の部分も含めて話をすることが多い中、日本の企業は女性枠を強調して、男女差を是正する傾向が見られますが、それは日本が世界から取り残される要因になりかねないのではないでしょうか?及川さんご自身が、あえて女性を意識されて企業経営をされているのか興味があります。

及川さん 私自身は女性であるからこうしなければならないという捉え方はしていません。自分の得意技は何か、人との違いはどこにあるのか、というところを意識しながら経営をしています。また、圧倒的マジョリティーである男性の中で、女性に目を向けるためには「女性の活用」を強調することは必要だと思います。そうすると、これまで女性という理由で見出してもらえる機会が少なかった、その人個人の能力に気付く可能性も出てきます。つまり、見る目を養うということです。見る目を養わないと、女性たちが持つ「本当の能力」に気付く機会が日本ではまだ少ないのかと思います。

古代さん 今後の日本のあり方として、女性の活躍は必然だと思いますが、そういった中で、機会を与えられてラッキーと思われる人もいれば、そこまで頑張りたくないという方も中にはいらっしゃると思うんですけど、それに対してはどうお考えでしょうか?

及川さん 未来に目を向けると、単なる労働者でいるのか、それとも主体的意思決定者でいるのかというところにおいては大きな差が出てきます。経営者や人事部は、可能性のある人たちをしっかり探して背中を押し続けるべきだと思います。DEIBを進めていくためにも、世代間のネットワークコミュニケーション、上の世代と連帯していくことがすごく必要になるのではないかと思います。

古代さん 環境作りをしていかないといけないということですね。

及川さん そうです。女性たちにしっかり目を向けて、声を吸い上げていく、あるいは声を上げやすい環境を作っていくことがとても大事ですね。縦と横のネットワーキングっていうのも、DEIBにおいてものすごく大事だと思っています。また、海外経験をされた方はいろんな人種や年代、ジェンダーの壁も突破して、様々な視点を持っていますし、ご自身が多分マイノリティであった経験もお持ちなんですよね。そういった方々が日本企業に帰ってきたときに、その視点を日本企業の中に植え付けていくというのは一つのチャンスだと思います。いろんな見方でものを見るということを人事部や経営者層に見せていくことによって、世の中っていうのは変わってくるので、ぜひどんどん日本に帰ってきてくださいということを申し上げたいですね。

古代さん ありがとうございます。最後に、「DEIBを他人事にしないポーラ」ということでコメントをいただけますか?

及川さん 人の可能性に挑戦するというのが当社の大事なポイントになっています。企業理念に、美と健康を願う人々および社会の永続的幸福を実現するということを掲げ、100周年のビジョンが「私と社会の可能性を信じられる、つながりであふれる社会へ」なので、可能性というものをすごく大事にしています。女性の可能性もあれば、男性の可能性もあるので、個性という部分での可能性をどう開いていくかというのが企業の大きなテーマになっています。DEIBをトップダウンとボトムアップでやっていくということで、取り組んでいます。

古代さん 文化作りとして企業経営の中にDEIBというものを据えてらっしゃることにすごくパッションを感じました。また、哲学として芯が通ってらっしゃると思いながら拝聴させていただきました。本当にありがとうございました。

 

対談のフルバージョンはPasona VHRBPサイトにてご覧いただけます。
*視聴には登録が必要です
Virtual HRBPは下記よりご登録(無料)頂けます。
「Pasona Virtual HRBP を初めてご利用の方: アカウント登録」よりご登録ください。

 

☆エグゼクティブ対談シリーズ
https://www.pasona.com/executive-search/executive-dialog/

《Cambridge Technology Partners Inc. 編》再起をかけた組織変革
《Japan Accelerator 編》革新を起こす「本気」の経営者が強い理由

《鳩山総合研究所 編》6社の社外取締役を務めた現役社外取締役が語る、組織における社外取締役の本当の役割
《U.S.-Japan Council 編》”人と人“の繋がりが導くより良い未来、その可能性を信じて
《Japan Airlines Co.,Ltd 編》レジリエンスを高めて足許の困難な状況を乗り越え、<br>サステナブルな成長・発展を目指すJALの姿とは
《Sumitomo Corporation of Americas 編》対米投資、在米グループ会社幹部の声、 ガバナンスを考える
《新春特別編》
《IRIS USA, Inc. 編》徹底されたグローバル共通の「情報共有の仕組み」が切り開く未来
《Yamato Transport U.S.A., Inc. 編》クロスカルチャーにおける企業ブランド・組織力の強化に必要なコミュニケーション術
《Dexerials America Corporation編》サスティナブル経営の原動力とは? ポストコロナにおけるパーパスと利益の追求
《GLOBIS USA, Inc. 編》アメリカに役立つ目線で「志教育」をGLOBIS USA, Inc.の挑戦

《企業概況ニュース》