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赤坂寺庵 (てらん) 浅尾昌美さん 「精進料理は日本のソウルフード」

赤坂寺庵 浅尾昌美さん【精進料理】
「食べる哲学」から日本の歴史まで学べる

企業概況ニュース 2016年2月号掲載

340年の歴史ある真宗の常國寺に嫁いで32年。お寺の檀家さんやお坊さんにふるまうために精進料理を義母から教わり、毎年作り続けていくうちに、「一人でも多くの人に理解してもらいたい」という思うようなり、精進料理教室を始めた。

現在は日本各地だけではなく、海を飛び越えて米国でも、講師として招かれ、講演会や料理教室を行っている。海外で始めたのは2年前。浅尾さんは、食文化や栄養学の知識も豊富なため、料理教室だけではなく、日本の文化や歴史など深く広い内容の講義も評判を呼び、昨年は春と夏の年2回、ニューヨークで教室を開催した。

浅尾さんは精進料理を日本の『ソウルフード』と呼ぶ。米国では、仏教の「殺生をしない」という教えに従った、魚や肉を使わないベジタリアンなどにアピールしたヘルシーフードとして広まっている。

「精進料理はもちろんヘルシーな食ではありますが、それだけではなく、もっと精神性を高く持って食べるソウルフードという点を伝えたいと思ったんです。」

「できるだけ旬の素材や近隣で穫れるものを。グリーンマーケットに行けば、自分の目で確かめられて、使い方がわからなければ、売っている人に聞くこともできますよね」。安全で良いものをちょっとした手間をかけて探して、自ら情報を求める。「食べる」ことにもっと責任を持つこと。

現代では、働くお母さん、また忙しくて料理がなかなか出来ないという人が多く、特に米国生活をしていると手作りの日本食離れをしがちになってしまう。そういう方へ向け、「疲れた時は休んでください。時間のある時に多めに作っておくとか、常備野菜をストックしておくなど色々方法はあります。おかずがひとつあればそれでいいんです。お母さんが心身ともに健康でいることが、家族にとって一番大切なこと」とアドバイス。食べる人だけではなく、作る人の精神を保つことの大切さを尊重した浅尾さんならではの食べる哲学でもある。

精進料理の基本は一汁三菜。日本の歴史や食文化と深い関係があり、素材選び、だしの取り方、料理方法、盛り方、食べ方まで全てに意味がある。

「精進料理がきっかけとなって日本の文化を見直して欲しいですね」。浅尾さんの伝える「食育」とは、日本独特の伝統文化や歴史、そして「食べる」ことへの意識を高めること。また、精進料理を通して、失われつつある日本の風習や尊厳、そして作り、食べる体験でこれらを伝えていく大切さを我々に教えてくれる。

赤坂寺庵公式サイト http://akasaka-teran.net/index.html

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