インターホンの新しいセキュリティーサービス開発に意欲
Aiphone Corporation
President&CEO 上條 武 さん
インターホン専門メーカーのアイホンは、1970年よりシアトルを拠点に北米で展開している。住宅から業務用まで製品ラインナップが豊富で、高品質・低価格が高く評価され、ホワイトハウスやNASAにも採用されている。教育や医療機関などの業務用が売上の約8割を占め、次いで集合住宅用が多い。
米国では従来のアナログ式がいまだ半数を占めるものの、より広範囲をカバーし多機能なIPネットワーク対応タイプへとニーズが急速にシフトしている。IX/IXGシリーズは、スマートフォンのアプリを利用してどこにいても着信ができ、利便性の高さがニーズを押し上げている。
コロナ禍で加速した非接触需要に応え、手をかざすとコールがかかる「タッチフリー子機」を発売。また、11月には、カーテンウォール工法(建築物の主要な構造を柱と梁として、その構造体にガラスなどの外壁を張り架ける工法)で、梁の間に掛け渡すマリオンという部材にフィットする横幅が従来の半分のサイズの子機をメイドインジャパンで発売予定であり、本商品にもタッチフリー呼び出し機能を標準搭載する。セキュリティー機器として米国の政府系機関にも多く採用されているため、近年の対中政策を鑑み、中国のテクノロジーを避け、製造国にも気を配らなければならないと上條さんは話す。
同社には現在40人の営業スタッフがおり、卸店のケアに加え、工事業者からヒアリングや共同で施主へのプレゼンを行う。「売上規模からみると40人は多いほうですが、現場でしっかりと顧客の声を拾い上げ、開発に繋げていくことが重要だと考えます。インターホン専門でありながら、テクニカルサービスに全体の5分の1の人員を配置しているのも、そういった理由があります」と米国での開発体制の拡充に意欲を見せる。
「新しいセキュリティーのソリューション〝Security as a Service(SaaS)〟として、アプリを利用したサブスクリプションビジネスに注目しています。これからはソフトウェア開発で顧客のニーズを満たしていく時代。現地でフレキシブルにソフトウェアの開発・改善に取り組み、顧客の期待に応えていく——“Meet Expectations”が当社の掲げる目標です」。
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