Cambridge Technology Partners Inc.
CEO & President
鈴木 努 氏 Mr. Tsutomu Suzuki
1987年に日本電信電話へ入社。1988年にNTTデータ通信(現、NTTデータ)へ移籍。1997年、米国ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ社の日本法人に入社。同社が、米国ノベル社と合併したことで、2004年に米国ノベル社Vice Presidentに就任。2006年にケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ日本法人が日本ユニシス(現 BIPROGY)の傘下に入ることで、米国ノベル社から独立。同年から2021年まで、日本法人の代表取締役社長を務める。2019年に同社米国法人を設立、CEO & Presidentに就任し、現職。多くのクライアントのBPR・IT戦略策定、ERPシステム導入、CRM戦略策定、コールセンター統合、ネットビジネス戦略から導入まで、幅広いプロジェクト経験を有する。
Pasona N A, Inc.
President & COO.
古代 賢司 氏 Mr. Kenji Furushiro
MBA取得後、パソナグループの米国法人パソナN Aに入社。営業、人事開発部マネージャーを経て、2013年に代表取締役に就任。人材サービスの提供に限らず、全米各拠点にて最新のトレンドを踏まえた多様な内容のセミナーも開催。また地域貢献として、日系企業ネットワーキング会の開催や進出企業への基礎情報提供などを積極的に行っている。全米10拠点をベースに、日系企業のグローバル人事戦略を総合的に、また迅速に支援できるよう奮闘中。
再起をかけた組織変革
米国パソナのプレジデント・古代賢司氏が、様々な業界のエグゼクティブと対談し、日系企業の今、そして未来について深堀りしていく人気のウェビナーシリーズ。第19回目の今回はCambridge Technology Partners Inc.(以降、ケンブリッジ)にて CEO & President として活躍する鈴木努氏 をゲストに迎え、お送りしたその一部をご紹介していきます。
古代さん 行動規範を言語化することが重要だと日々感じている中で、従業員100人の壁を越えるのが厳しいといわれていますが、190人規模にまで成長されたところが非常に興味深いです。御社は米国のテクノロジー会社としてスタートしたわけですが、社員の皆さんがどのようにして醸成していきながら移行できたのか、そしてその後、どのようなスピード感で躍進されてきたのでしょうか?
鈴木さん 親会社がなくなると米国の最先端テクノロジーを日本に持ち込めるものがなくなりました。ただ、自分たちの強みを出せない中でも、大企業の組織の壁を取り払うファシリテーション力は評価されていました。そこで、過去のビジネスを変革していくようなファシリテーション力には、サイロ化された組織の中に閉じこもっていて、十分に力を発揮できてないところを突破する力があるのだという自覚が沸いてきました。こういった苦戦の中ででも私達を見捨てなかったお客さんから自分 たち はここで生きていくべきだと教えられました。
古代さん コーポレートカルチャーは、今回のテーマである「再起をかけた組織変革」におけるキーワードだと思っています。シリコンバレーには、(Googleさんや、Metaさんなど)コーポレートカルチャーに共感しながら共有して経営している企業さんが多いですよね?御社はその点、いかがでしょうか?
鈴木さん アメリカのケンブリッジも急成長を続けたのは買収を続けて結構大きくなってきたとこがあるんですね。95年ぐらいまでにたくさんのいろんな会社を買収していた時に、自分たちの会社のアイデンティティは何かというところで迷いが出たようです。それで96年にコーポレートカルチャーを刷新してケンブリッジのアイデンティティのカルチャーにしようって決めたばっかりだったんです。そんなこととは知らずに、ケンブリッジに入ってアメリカに行き、すごく良いカルチャーの会社だと思って、日本でもそのカルチャーを大事にしながらやりたいなという気にさせられました。 最初の立ち上げメンバーが、このカルチャーをやっぱり大事にしたくて、アメリカで体験したことをちゃんと持ち寄ってやったのが最初のスタートとして良かったと思っています。
古代さん 例えば、日系企業さんの中でもすごくカルチャーを押し出される企業様、いらっしゃいますが、 ケンブリッジさんでも特別にコーポレートカルチャーを学ぶ時間は設けてらっしゃるんですか。
鈴木さん そうですね。入社するとその新入会社員研修の中で、ケンブリッジが大事にしていることを徹底してCEOが話します。あとはプロジェクトワークの中で、何かコンサルタントが、ケンブリッジのカルチャーに非常に合致する振る舞いをすると、フィードバックをしたり。レーヴカードというの感謝の印を送るっていうカードなんですけども、そのカードにメッセージ書いて送ることが、日々カルチャーを意識する仕組みになってます。あとは月に1回コミュニケーションミーティングという全員が集まるミーティングがあるのですが、幹事はカルチャーについて考えるコーナーを作って、オンラインならZoomでブレークアウトルームにわかれて、みんなで話し合った内容をまとめて共有しあい、改めて自分たちのカルチャーの持ってる意味みたいなものを考えることを繰り返しています。
古代さん 結びつきを強めるという意味で、 例えば一般的にメンターメンティーの仕組みやピアツーピア(Peer to Peer)のフォーマルではない形のサポーティングシステムなどがあったりしますが、御社ではそういったシステムを活用されていますか?
鈴木さん プロジェクトワークが中心の会社なので、プロジェクトマネージャーとメンバーの間に上下関係があったり、プロジェクトマネージャーの上の上司がいたりっていうことでラインとしての相談相手はいますが、必ずしもその関係だけだと長期的に1人の成長を見続ける人がいない形になるので、メンターメンティーという言葉もあるように、社内だとリソースアドバイザーとリソースアドバイスチームみたいな感じで、メンバー1人1人に対してそういう先輩社員がある程度アドバイスができるみたいなのは用意しています。そこで相談してやり取りするっていう関係もあります。それと最近では、会社から決められた関係で相談するのではなく、自分で相談したいときに相談相手は選んでもよいとか、新入社員が入ってきたときにリソースアドバイザーも忙しく、最初の一番大事な時期にしっかりとサポートできないので、オンボーディングチームが、中途にしろ、新卒にしろ、入社直後の人たちにはかなり手厚く、その時々でいろいろ起きてくる波、悩みみたいなものの相談に乗るような機会を作ったりしています。
*次回のエグゼクティブ対談は9月20日(水曜日)開催予定です。
対談のフルバージョンはPasona VHRBPサイトにてご覧いただけます。*視聴には登録が必要です
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☆エグゼクティブ対談シリーズ
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