IRIS USA, Inc.
President
高橋 博之 氏 Mr. Hiroyuki Takahashi
東北大学卒業後、1998年に家電、インテリア製品を扱うアイリスオーヤマに入社。営業やマーケティング部に所属し、プラスチック収納や、家電、食品など幅広く担当。その後、グローバル経営戦略の経験を経て2018年、IRIS USAの社長に就任。
Pasona N A, Inc.
President & COO.
古代 賢司 氏 Mr. Kenji Furushiro
MBA取得後、パソナグループの米国法人パソナN Aに入社。営業、人事開発部マネージャーを経て、2013年に代表取締役に就任。人材サービスの提供に限らず、全米各拠点にて最新のトレンドを踏まえた多様な内容のセミナーも開催。また地域貢献として、日系企業ネットワーキング会の開催や進出企業への基礎情報提供などを積極的に行っている。全米10拠点をベースに、日系企業のグローバル人事戦略を総合的に、また迅速に支援できるよう奮闘中。
パンデミックの影響により、経済や世界情勢、人々の働き方、暮らし方が変化していく中で企業はどう生き抜くべきなのか? 米国パソナ社長・古代賢司さんが、様々な業界のエグゼクティブと対談し、日系企業の今、そして未来について深堀りしていく人気のウェビナーシリーズ。第13回目の今回は、ゲストスピーカーに IRIS USA, Inc. (以降、アイリスUSA) の社長である高橋博之氏を迎えて、様々な角度から切り込んでお話をして頂いたその一部を紙面でご紹介していきます。
古代さん 進出から30年、全米に4工場を抱える御社において、全体の売上の中で新商品が60%を占めるということでしたが、その開発力の源はどこから生まれているのでしょうか?
高橋さん 我々は「プレゼンテーションミーティング」という月曜日の会議を重要視しています。日本とアメリカで同じ仕組みをとっており、会長以下、各セクションの全責任者が参加します。全員が同じ情報を共有しながら、社長が判断していくスタイルです。多くの商品を開発するにはスピードが必要ですので、この会議が全ての源になっていると思います。
古代さん 貴社では、「常に課題意識を持つこと」という価値観を教育されていると思いますが、グローバル展開される中でどうやって伝えていく仕組みなのでしょうか?
高橋さん 私たちは、グローバル展開するにあたり資料のフォーマットを統一しています。この統一が、コミュニケーションを円滑にするポイントだと思っています。創業者の大山健太郎の言う「一目瞭然の経営」という言葉通り、誰が見てもひと目でその資料からポイントを抜き出すことができ、しかも同じ価値観で情報共有することができる。この方針をグローバルで同じように展開をするというところに一番注力しました。
古代さん 徹底された情報共有の仕組みのコアな部分は、月曜日のミーティングということですね。
高橋さん こだわりを持ったコミュニケーションとしてはそうですね。全員が参加し、同じ情報が共有され、同じベクトルを向いて仕事をする。普通は部門ごとにリレー方式で仕事を進める企業が多い中で、我々は各部署が一斉にゴールに向かって走り出すというイメージ。それによってスピードが増すという理論です。
高橋さん その他、特徴的な情報共有としてICジャーナルという日報があります。これは全員が閲覧でき、業務のログや自分が問題として考えている事や仕事の進捗に対しての改善方法などのコメントを毎日書いていくものです。このように、情報共有をするためのインフラや仕組みを経営の中に埋め込んでいます。
古代さん 御社の評価制度は実績・プレゼン・360度評価の合算とお伺いしたのですが、360度評価にはどのような効果がありますか?
高橋さん 一番のポイントは公平不公平ではなくて、会社も評価される側も「納得ができるような評価制度」になっているという点です。実績とプレゼン、上司・部下・他部署といった、あらゆる角度からの評価。私自身も評価されてきて、納得感があります。会社全体を考えた時、部分最適にならないように、360度評価はすごくいい仕組みだと思います。私がアイリスUSAに着任した当初は、そもそも隣の部署が何をしているのかもわからないという状態で、360度評価を中断しましたが、これから360度評価を再開させる予定です。情報共有という部分において、かなりの労力と時間を費やしてきたので、変化が見られるのではないかと楽しみにしています。
古代さん これまでの試行錯誤の結果だと思いますので、お伺いした仕組みを適用・運用するのは簡単ではないかもしれませんが、企業経営者の方々の参考になればと思います。本日はありがとうございました。
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*次回のエグゼクティブ対談は12月9日(金)開催予定です。
2023年度 給与情報・福利厚生分析レポートを元に豪華ゲストをお呼びしたディスカッション形式ウェビナーとなります。詳細は弊社サイト内、セミナー/エグゼクティブ対談ページにてご確認ください。
☆エグゼクティブ対談シリーズ
https://www.pasona.com/executive-search/executive-dialog/
《GLOBIS USA, Inc. 編》アメリカに役立つ目線で「志教育」をGLOBIS USA, Inc.の挑戦
《Dexerials America Corporation編》サスティナブル経営の原動力とは? ポストコロナにおけるパーパスと利益の追求
《Yamato Transport U.S.A., Inc. 編》クロスカルチャーにおける企業ブランド・組織力の強化に必要なコミュニケーション術